「残暑お見舞い申し上げます」~おしゃれ暦vol.37葉月
『ナチュリラ』本誌でも、季節ごとのリアルクローズとそのおしゃれな着こなし方を提案してくださっている人気セレクトショップ「アナベル」。店主の伊佐さんによる、季節のおしゃれエッセイ、第37回目です。暦の上では“立秋”ですが、嘘でしょー!って暑さが続いてますね。それでも街のショーウィンドーには、秋を意識したこっくり色の装いがディスプレーされてたりして。秋をほんのり意識しつつ、猛暑を乗り切るおしゃれのアイデアとは……。
*************************
photo:川本浩太 text:伊佐洋平 model:伊佐奈々
「エアコンが壊れた!」
よりにもよって一番暑いこの時期に壊れるとは。
しかし、よく言えば倹約家、正直言って少しケチな妻は、
「水が漏れただけだから、ちょっとしたら使えるかも」
そう言って、エアコンの真下をビニールで養生している。
我が家は二人とも家電などに弱く、いつもいつも最新を
高く買って、すぐ壊れるという負のサイクルに陥っていた。
だから少しケチな妻が粘って買うくらいでちょうどいい。
もっとも暑いこの時期は、暦上の夏のピーク。
そして最も「暦」がしっくりこない季節。
猛暑ですが、立秋が過ぎ、秋の始まりです。
白のワイドパンツにタンクトップ。
秋は部屋の入口に待たせておいて、
「ふーん、立秋なんだ」
くらいでちょうどいい。
日よけだってしなければ、暑さでどうかしてしまう。
真っ白のパンツに白と黄色の水玉模様が涼しげです。
じわじわとにじり寄る秋に、
「そうだよね、秋なんだよね」って
軽くあいづちを打ちながらなだめ、
残暑をシックに装ってみる。
ノースリーブの少しきちっとしたブラウスを
モノトーンで着てみれば、
秋に対して、少しは顔向けできる。
ずっと履いていなかった、黒い靴下にヒール。
暑いなりに、気分は秋模様。
猛暑続きの冷房対策に、
半袖の手軽でおしゃれで心地いいボレロがちょうどいい。
黒の上にあえて黒を重ね、色数を抑えてシックに。
それだけで、待ち構えている秋は納得することでしょう。
少し遠のいていた洋服屋さんに足を延ばしてみれば、
いつの間にか秋の洋服が充実している。
ちょっと立ち寄って、秋の装いについて考えるのも良いのです。
お店に並んでいるのはこんなセーター。
ウールにリネンが混ざり合い、薄手ながら少しざっくりした感じ。
真っ白のパンツにナチュラルカラーの秋のセーター。
足元は黒の短靴でメンズライクに。
こんな秋の始まりを想像する。
「あそこに掛けてあったタートルネックみたいなブラウスも素敵だったな」
頭の片隅に留めておく。
季節の始まりは、あまり着たことがないものに惹かれるもの。
いつもは惹かれるだけだけど、今年は実際に着てみたい。
真っ白のパンツは、履き慣れたらどんな色も受け入れてくれるし、
オシャレだし、シーズンに合わせて数本は持っていたい。
夏を楽しみながら、少し秋のことも考える季節。
秋がへそを曲げないように。
想像を楽しむ季節。
ボトムス:ゴーシュカツラギワイドパンツ ¥24,000+tax
タンクトップ:FIRMUM ¥6,800+tax
ノースリーブブラウス:ゴーシュ ¥20,000+tax
半袖ボレロ:evam eva ¥14,000+tax
セーター:evam eva ¥16,000+tax
ブラウス:susuri ¥24,000+tax
帽子:shashiki ¥19,000+tax
日傘:傳(tutaee) ¥15,000+tax
バッグ:safuji ¥18,000+tax
シューズ:R.U. Anon ¥46,000+tax
シューズ:R.U. Jill ¥39,000+tax
タップシューズ:catworth ¥21,000+tax
肩の力を抜いた自然体な暮らしや着こなし、ちょっぴり気分が上がるお店や場所、ナチュラルでオーガニックな食やボディケアなど、日々、心地よく暮らすための話をお届けします。このサイトは『ナチュリラ』『大人になったら着たい服』『暮らしのおへそ』の雑誌、ムックを制作する編集部が運営しています。