「気分上々」~おしゃれ暦vol.39長月
『ナチュリラ』本誌でも、季節ごとのリアルクローズとそのおしゃれな着こなし方を提案してくださっている人気セレクトショップ「アナベル」。店主の伊佐さんによる、季節のおしゃれエッセイ、第39回目です。あんなに暑かったのに、まるでパツン! と音を立てて季節が変わったかのような、今年の秋。おしゃれが楽しい季節の到来に、まずはなにを選びましょうか。
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photo:川本浩太 text:伊佐洋平 model:伊佐奈々
朝起きると、いつもの2倍ほど妻がうかれている。
そうなのだ。今日から新学期なのだ!
「子供といるのも楽しいんだけどさ。」
「何なのこの解放感!」
軽やかなミュージカル調のステップと共に、
僕の聞き間違いでなければ、たまに鼻笛まで鳴っている。
そうなのだ。季節は変わったのだ。
季節が変わったとはいえ、まだ暑い日のほうが多い。
残暑というものだ。
まずはシャツ生地一枚程度のスタイリングから入ってはどうだろう。
そして少し新しい感覚を取り入れる。
「ワイド×ビッグ」
ロールアップでバランスをとって、足元は革靴だけど、
まだカバーソックスで素足風に軽やかに。
色はブルー系に統一して、ところどころに黒を効かせて落ち着きを出す。
でも少しうかれている。
そうなのだ、季節は変わったのだ。
季節の始まりは、新しい自分探しの時間。
気にかかったものを着てみるといい。
自身では意外なお買い物に満足して、
笑顔で帰られるお客様が多いのもこの季節。
久しぶりに被ったベレー帽が、
なぜだかまた、新鮮味を帯びて見える。
これだから、気に入って買ったものはなかなか捨てられない。
2~3年ぶりに袖を通し、新鮮に感じるものも少なくない。
職業柄、そういうものは必要以上に観察する。
きっと他にはない普遍性を秘めているに違いない。
そう疑いながら。。
ワンピースをさらっと一枚で着るのにも良い季節。
どうせなら、大辞典を何冊も支えられるような、
斬新な彫金のブックエンドのように、季節の変わり目を演出したい。
確かにここから変わったのだと、アピールしたい。
ワンピースに合わせて靴も新調して、、
気分は上々だ。
つまり、うかれている。。
そうだ、季節は変わったのだ。
「季節の変わり目くらい、少しうかれてもいいだろう。」
そう、妻は言う。
「そうか、いつも少し浮かれ気味なことに気がついていないのか。」
そう、僕は思う。
とにかく、季節は変わったのだ。
少しうかれて、季節の変わり目を楽しめばいい。
ビッグチュニック:FIRMUM ¥20,500+tax
ワイドパンツ:TRAVAIL MANUEL ¥13,000+tax
シューズ:R.U. JILL ¥39,000+tax
バッグ:私物
ネックレス:d’antan ¥13,000+tax
オーバーオール:Yarmo ¥29,000+tax
ロングシャツ:orslow ¥15,800+tax
シューズ:R.U. Anon ¥46,000+tax
帽子:私物
バッグ:私物
ワンピース:GASA* ¥64,000+tax
シューズ:CATWORTH ¥21,000+tax
バッグ:teha’amana ¥26,000+tax
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