自分を知った大人服 堀 弘子さん フォトグラファー

大人になったら、着たい服
2016.03.08

シャープな中に

“かわいさ”を込めたおしゃれを

otonaP_1_031

細身のコートに小ぶりのリュック、ひざ丈のキュロットで颯爽と歩く姿がトレードマークの堀さん。このスタイルに落ち着いたのは、今から十数年前。50歳になる手前だったといいます。

「ちょうどそのころ、スイスで行われている国際時計展示会の取材を始めるようになったんです。丸一日、慌ただしいスケジュールの中で撮影をすると同時に、夜はパーティに出席したりとフォーマルな空間にもなじむ着こなしが求められていて、さてどうしたものかと」

そこで、まず思いついたのが、全身をシックなモノトーンでまとめること。

otonaB_002

「ミュージシャンを撮影するお仕事が多かった40代には、古着のネルシャツとジーパンに『コンバース』、おまけに髪型はドレッドというロックなスタイルも(笑)。でも、昔からオードリー・ヘップバーンが大好きだったこともあって、黒と白の服を着てみたら……『あぁ、私、似合ってる!』と思ったんです」

次に悩んだのがアイテム選び。フォトグラファーという仕事柄、動きやすさは何よりも大事だけれど、男性と同じようなパンツスーツじゃつまらない。

otonaA_003

「せっかく女性なんだし、“かわいさ”も忘れたくなくて。その両方を兼ね備えているのが、ふんわりとしたキュロットでした。理想の形を求めてオーダーし、以来ずっとこのスタイルです」

otonaP_8_011

堀さんのモットーは「その時々の自分を楽しむ」こと。それはおしゃれも同じです。

「仕事を引退したら、ターシャ・テューダーさんのように庭園に囲まれて暮らすのが夢。そのころはきっと、真っ白な髪をポンパドールにして、ふんわりしたワンピースを着て……なんて想像するのも楽しいんです」

 

『大人になったら、着たい服 '15-'16秋冬』より抜粋
photo : 鈴木泰之 text : 伊藤亜希子

Profile

堀 弘子

Hiroko Hori

1953年生まれ。日本大学芸術学部写真学科を卒業後、29歳の時に夫・照内 潔氏とともに、てるうちスタジオを設立。現在は、北野 武監督作品『龍三と七人の子分たち』などの映画ポスターをはじめ、広告、雑誌の世界で活躍。

肩の力を抜いた自然体な暮らしや着こなし、ちょっぴり気分が上がるお店や場所、ナチュラルでオーガニックな食やボディケアなど、日々、心地よく暮らすための話をお届けします。このサイトは『ナチュリラ』『大人になったら着たい服』『暮らしのおへそ』の雑誌、ムックを制作する編集部が運営しています。

ページトップ