「襟を正せば」~おしゃれ暦vol.53如月
『ナチュリラ』本誌でも、季節ごとのリアルクローズとそのおしゃれな着こなし方を提案してくださっている人気セレクトショップ「アナベル」。店主の伊佐さんによる、季節のおしゃれエッセイ・第53回目です。東京の桜はあっという間に葉桜に、木々の緑がまぶしい季節になりました。昼夜の寒暖差が激しいこの時季は、おしゃれもつい“守り”に入ってしまいがちですが、なにか新しい試みも取り入れたいものですよね。
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photo:川本浩太 text:伊佐洋平 model:伊佐奈々
サクラは4月に咲くものと思っていたが、どうやらそうでもないらしい。
暖かければ、咲いて散ってゆくものだと思い知らされる年となった。
3月にサクラが咲き終わると、少し拍子抜けすると同時に、
なんだかいつもより季節が進んでいる錯覚に陥って焦る。
しかし、よなよな雑巾に名前を書いたり、上履きに名前を書いたりしている妻を見ると、
「そうか、これからか。」という安心感が舞い戻ってくる。
まだシャツ一枚で出歩くには少し早いのだけど、
ちょっと生地がしっかりしているのと、
面白い襟を見せびらかしたいばっかりに、
日中だけの散歩に出かけてみる。
サクラも咲き終わっただけあって、
陽がさしている間は、軽く袖をまくってもいいくらいだ。
初めてカバーソックスも取り入れてみた。
色を変えてみる。
もちろん、こんな装いで出歩けるのは、
日中しか外にいないとわかっている人の特権だ。
夜遅い時間に帰宅する私などは、インナーにタンクトップ。
その上にコットンの長袖のカットソー、その上にGジャン、
最後に一重のコート。それでも正直少し寒いくらいだ。
先日など、いつもの調子で「寒い、寒い」って言いながら家に帰ると、
日中はずいぶんな薄着でパタパタしていた妻が、「寒いねー。」って言いながら、暖房をつけていた。。
いろいろと賑やかな人だ。文明の利器を最大限に活用している。
でも、こんな少し地厚なシャツ地のブラウスで、襟がこんな風に立ち広がるのなら、
インナーに長袖を着ても始末が良さそうであるし、暖かく感じたら袖をまくってもかっこいい。
襟を倒してみたらどうだろう?
鏡の前でハッとする。
ちょっと雰囲気が違う。
カバンも変えてみたくなるはずだ。
襟を倒してみたら、急に女子力が上がった気がした妻は、ヒールなど履いてみるのでした。
始まりの4月、、、
少し襟を正してみれば、ちょっとした発見があるかもしれません。
ちょっとしたことが、人生を変えるかもしれません。
いや、ちょっとしたことこそが、とても大事なのです。
今は襟を正す季節かもしれません。
スモックブラウス:Yarmo ¥21.000+tax
パンツ(キナリ):GASA* ¥45,000+tax
パンツ(ブルー):GASA* ¥41,000+tax
ショルダーバッグ:sono ¥16,000+tax
バケツバッグ:Artepovera ¥13,000+tax
シューズ:R.U. Jill ¥39,000+tax
シューズ:R.U. Thea ¥38,000+tax
東急田園都市線たまプラーザ駅から徒歩5分
℡045-482-4026
営業時間:11:00~20:00 水曜定休
http://www.f6products.com/
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