“メイド・イン・ジャパン”の肌ざわりに感動!「糸衣」の半袖カシミヤニット
名作と呼ばれる映画には、必ずといっていいほど実力派の脇役が存在するもの。それは、おしゃれも一緒です。一見何げないのに、実は丹念にこだわって作られたアイテムたちは、主役を引き立てるための十分な腕前を持ち合わせています。この連載では、そんな“おしゃれの名脇役”にスポットライトを当て、王道のものから隠れた逸品まで、幅広くリポートしていきます。
創業は明治11年。紡績業のパイオニア的存在として130年以上の歴史を持つ「東洋紡糸」。その老舗と、セレクトショップでもおなじみの、イタリア・ミラノのアトリエからこだわり抜いたニットを発信している「ユリ・パーク」がタッグを組み、誕生したニットブランドが「糸衣(イトイ)」。ブランドスタートから8年。糸作りから仕立てに至るまで、これぞメイド・イン・ジャパンという緻密さが息づいています。
今回は、人気の“アラシャンカシミヤ”シリーズから、3シーズン楽しめるようにと、初の半袖タイプがリリースされたという情報を聞きつけ、いざショールームへ!
「糸衣」アラシャンカシミヤニット HIYORI¥33,000
※商品の価格は、2018年5月現在のもので、表示は税抜きです。
一番の感動ポイントは、ずっと包み込まれていたくなる極上の肌ざわり!
「中国で一番寒暖差が激しいアラシャン地区で飼育されているヤギから梳き取られるうぶ毛は、毛足が長く、細い糸が引けるのが特長。この最高レベルの糸で編まれているから、“アラシャンカシミヤ”ニットはとってもなめらかなんです」と教えてくださったのは、東洋紡糸工業・営業部の道津正浩さん。
「こちらが、色染めする前の原毛と糸です」
身も心もいやされるようなふわっふわな肌ざわりは、ずっと撫でていたくなるほど。
また、実際に袖を通してわかるのは、まるで第二の皮膚のようなしなやかさ、そして肩から二の腕にかけての美しいライン。
背中や二の腕にのっているお肉が気になり、ピタッと体に沿うニットに抵抗があった取材班ですが、それを覆す美シルエットに、本日二度目の感動!
「デザイナー・ユリさんのこだわりは、着心地のよさと女性の体をきれいに見せることの両立。それを追求し続けた結果、コンパクトなラグランスリーブにたどり着いたそうです」とは、営業部の延本 心さん。
「裁断して縫い合わせるのではなく、一着まるごと立体的に編むホールガーメント製法なので、内側に縫い代がないぶんゴロつきがなく、美しい見た目が実現。着ていることを忘れてしまうほどの軽さも相まって、とにかくいいことづくしなんです」
ちなみに、計ってみると約85g! エアリーな着心地の理由が判明しました。
首元や袖口、裾には、ホールガーメントの個性のひとつともいえる立体的なロールが。
そして、タグの代わりに施されているのは、ブランドシンボルでもある4つのアイレット。
下げ札は、手でちぎった手すきの和紙という贅沢さ! 日本でていねいに編まれているやさしい肌ざわりのニットを象徴しているかのようです。
着まわしやすいベーシックな色から印象深い鮮やかなものまで、カラーバリエーションも豊富。
“アラシャンカシミヤ”シリーズ同様、春夏を心地よく過ごせる“シルクカシミヤ”シリーズも気になるところ。
「糸衣」シルクカシミヤニット NANATSU 各¥29,000
「さらっとした肌あたりとさりげない光沢感が魅力。冷房が効いた部屋や電車でも体を冷やさないので、一枚あると重宝しますよ」
着続けることで体になじみ、よりいい風合いに変化していくというカシミヤニット、ぜひ体感してみて。
photo : 花田 梢 text : 三宅桃子
お問い合わせ先 cashmere@toyoboshi.co.jp
公式サイト http://www.toyoboshi.com/
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