とことん、本物志向!「マニプリ」のスカーフ
名作と呼ばれる映画には、必ずといっていいほど実力派の脇役が存在するもの。それは、おしゃれも一緒です。一見何げないのに、実は丹念にこだわって作られたアイテムたちは、主役を引き立てるための十分な腕前を持ち合わせています。この連載では、そんな“おしゃれの名脇役”にスポットライトを当て、王道のものから隠れた逸品まで、幅広くリポートしていきます。
日本の有名セレクトショップだけではなく、パリの老舗百貨店のボン・マルシェなどでも展開されている小物ブランドといえば「マニプリ」。ストールからスタートし、間もなく誕生したのがスカーフでした。
「マニプリ」スカーフ(65×65㎝)各¥11,000
※商品の価格は2018年9月現在のもので、表示は税抜きです。
「古きよき時代のスカーフが好きすぎて、3000枚くらい収集していて(笑)。いつか、何かへとつながっていけばいいなと思っていました」と語るのは、「マニプリ」を取り扱うフラッパーズの代表取締役・長島邦彦さん。絵柄はすべて、そのコレクションからインスピレーションを受けているのだとか。どことなくヴィンテージ感が漂っていたのは、そういった理由からだったのですね!
素材は、12匁(もんめ)の綾織シルク100%。
「ほどよい厚みがありつつ、こなれたような絶妙なやわらかさもあるので、とても巻きやすいんです」
上品な光沢感も見逃せないポイント。
そして、ずっと眺めていたくなるほど美しいアートのような絵柄は、すべて手捺染によるもの。1色ごとに版を作り、そこに染料を流してへらでなでつけるように染色していく、伝統的な技法です。
「現在は、生地にインクを吹きつけるデジタルプリントが主流なのですが、やっぱり発色のよさや色ムラのなさ、さらには裏面の色の出方にもこだわりたくて」
確かに、表面と比べても遜色ない裏面! 巻いたときにちらっと見えたときも、おしゃれ感が損なわれません。
そして、ミシンで処理されることが多いふちの始末も、手巻きの三つ巻き縫いが施されているというこだわりよう。高級なスカーフである証であると同時に、ハンドステッチから発せられるハートウォーミングな空気感がたまりません。
「日本でこの手巻きができる工場は3つのみ。しかも熟練の職人さんしかできない技法なので、本当に希少なんです」
スカーフ好きな人たちが「マニプリ」を支持する理由は、こういった本物志向なマインドにもあったのですね。
シンプルな服に添えるだけで、身も心もぐっと華やぎます。
かた結びをしたり、
「マニプリ」スカーフ(65×65㎝)¥11,000、「ティッカ」ワンピース¥32,000
三角に折ってフロントで結んだり。
「マニプリ」スカーフ(65×65㎝)¥11,000、「ティッカ」ワンピース¥31,000
バッグに結んでもいい感じ。シルクとファーという異素材コントラストが、大人ならではの遊び心に。
「マニプリ」スカーフ(65×65㎝)、「マルシェ」バッグ¥19,000、「ティッカ」ロング丈ニット¥59,000
サイズ違いで持っておくと、ボリューム感や巻き方の幅が広がりそう!
「マニプリ」スカーフ(53×53㎝)¥7,800、(65×65㎝)¥11,000、(88×88㎝)¥16,000
スカーフを巻くのは、まだちょっとハードルが高い……という人には、さりげなく使えるこんなブレスレットから始めてみるのはいかが?
「マニプリ」スカーフブレスレット各¥7,800
「手捺染や手巻きなどの工程を国内で行っているのは、日本の素晴らしい技術を世界に認知してもらいたいから。そして、パリジェンヌのようにさらっとスカーフを身につける文化が、日本にも根づくといいな、という想いもあります」と長島さん。エレガントな「マニプリ」のスカーフには、熱いスピリットも宿っているようです。
photo : 花田 梢 text : 三宅桃子
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