ひとりなのは自由であって、淋しいことではないわ Vol.1 モニカ カスティリオーニさん
ニューヨークはひとりを
エンジョイできる街
20年ほど前から、ミラノとニューヨークを行き来して、今はニューヨークが自分の住処だとモニカは言う。
「ミラノでは、ひとりで食事に出かけると同情の目で見られる。服装もジャッジされる。そんな人たちの中にいるのはとても窮屈。それに比べてニューヨークは、ひとりでいることをエンジョイできる場所。ニューヨーカーは、他人をジャッジしない。何を着ていようが、それはその人の個性とみなされる。私はひとり(自由)であって、独り(アローン)じゃない。イタリアは生まれ育った祖国。言葉も楽だし食べ物も好きだけれど、私らしくいられるのは断然ニューヨークなの」
アートピースのような
ジュエリー
モニカのリングは、持ってみると結構重い。でも指にはめてみると、その重さがなんとも心地よいという不思議なリング。素材は、ずっとブロンズの鋳造にこだわってきた。
その理由は「ニッケルが入っていないから金属アレルギーがほぼなくて、大気に触れて色が変わるオーガニックなところが好きなの。磨けば色は戻るけれど、経年変化を見守りながら、ジュエリーを『育てる』感覚を楽しんでほしい」
そして最近新たに取り組んでいるのが3Dプリントの作品。やわらかなプラスチック素材で、驚くほど軽く、カラフルで遊び心が満載。
「若いころはブロンズのネックレスの重さをなんとも思わなかったけれど、今は肩が凝ってしまって無理。“さて、どうしよう”と思っていたときにこの素材と出会ったのよ」
これなら大胆な重ねづけも楽しめるし、夏の麻のワンピースにも冬のニットにも似合いそう。モニカのブロンズのリングと組み合わせても素敵そうだ。
photo:GION text:ASAKO UENO
『大人になったら、着たい服 '18-'19秋冬』 より一部抜粋
Profile
モニカ・カスティリオーニ
イタリア・ミラノ生まれ。ニューヨークとミラノを拠点に活躍するジュエリーデザイナー。18歳でジュエリーデザインの道へ。キャリア38年。ブロンズ素材にこだわるモニカのジュエリーはモダンでエレガント。アートピースとしても評価が高く、日本にもファンが多い。
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