おしゃれとお金のほどよい関係 vol.2 ~ルノンキュル 木村牧子さん
着るものや装いの根拠を自分の中に持っていないというのは、とても残念。だってそれだと何をしたって、満足感は得られないもの。
お金や時間は大事。満足できないものに使うのならば、少なかろうが多かろうがムダでしかありません。
とりあえず、恥ずかしくない程度とか、みんなと同じくらいとか、それはそれで気持ちの落ち着くところなので良さげではあります。でもこういう「とりあえず」には慣れて麻痺してしまいますから、自分の本当にしたいこと、好きなことがわからなくなります。
身なりに限らず、必要なところに必要な分だけ丁寧に気持ちや時間やお金を注ぐ、そうすれば「とりあえず」ってことにはならないし、安かろうと高かろうと満足度は高いです。
問題なのは金額や手間の量ではなく、自分をちゃんと知ってちゃんと扱う丁寧さです。
私が服やヘアメイクをご提案するのは、かける金額や時間に惑わされない「自分の見え方」を正しく知っていただくためです。知ると自分に必要なもののメリハリと費用対効果がわかります。わかった上でどこに何をどれだけかけるか、自分で決めればいいのです。
ちなみにみなさん、自分の欠点をカバーすることには費用と労力を注ぎすぎるくらい注ぐ傾向にあります。それももちろんメリハリだけど、一番効果的なのは自分の長所を全面に出すこと。
人によって、生地の素材で映える人、柄で勝負の人、お肌や髪質をアピールするのが効果的な人、いろいろです。
初めて家に赤ちゃんや動物を迎えるとき、文化や人種の異なる人と仲良くなるとき、必ず相手の特性や好みを調べますね。そんな気持ちで自分のことにも向き合ってみて欲しいと思います。
長いお付き合いであっても、自分って最も遠い存在かもしれませんね。
Profile
木村牧子
「ルノンキュル」主催。関西学院大学卒業後、全日本空輸㈱で国際線CAとして勤務。退職後に転身し、子供の頃から夢だったデザインの道に進む。10数年間グラフィックデザイナー、テキスタイルデザイナーとして色や素材に関わる中で、「装い」や「色」が人の生きるパワーや自信と深く関わることに強く興味を引かれる。色彩学、心理学を学ぶうちに、「見た目」を通して人の内面、生き方を前向きに元気にさせる仕事をしたいと思うようになり、パーソナルスタイリング、イメージコンサルティング、パーソナルプロデュースの仕事を開始。現在は平日はデザイナー、週末はイメージコンサルタントとして活躍中。
肩の力を抜いた自然体な暮らしや着こなし、ちょっぴり気分が上がるお店や場所、ナチュラルでオーガニックな食やボディケアなど、日々、心地よく暮らすための話をお届けします。このサイトは『ナチュリラ』『大人になったら着たい服』『暮らしのおへそ』の雑誌、ムックを制作する編集部が運営しています。