自分を知った大人服 松元ルミ子さん 「トリップ」スタッフ
ボーイズライクなアイテムを
清潔感を添えて大人に着こなす
白×ネイビーのストライプのスカートに、白いシャツとグレーのベストを合わせて。そんなコーディネートは、永遠の定番といえるかもしれません。
「若いころから、好きなものはずっと変わらないんです」と松元さん。一見すると、いたって「普通」。でも、さりげなく大人の清潔感を感じさせるのは、それぞれの素材にこだわった、過不足のないデザインだから。
実は松元さんのご主人・明久さんは、大阪で自身のブランド「プリット」と「リネン」を立ち上げた方。ほとんどの製品を自社にある洗濯機でいったん洗い、干してから店頭に並べるというのが、創業以来変わらないスタイルです。一度水をくぐらせた洋服は、まるでずっと着ていたかのように、すんなりワードローブになじんでくれます。
ルミ子さんは、会社のスタッフとして夫をサポートし、経理も担当しているそう。学生時代は音楽が好きで、ミュージシャンを夢見ていたのだとか。
「たまたまテキスタイル会社でアルバイトをしたときに、世の中には、こんなおしゃれな人がいるんだと驚いて」と語ります。
その後アパレル会社に就職し、そこで、明久さんと出会ったというわけです。
毎シーズンの始めには、自社の展示会で、ちょっと勇気を出して、今まで着たことのないアイテムも選んでみるそう。
「私ね、いつまでも進化していたいんです。その原動力になっているのが年下のスタッフたち。いろんな情報を教えてもらいます。彼ら、彼女らが新しい扉の開け方を教えてくれるから、まだまだいけるぞ私、って思うんです」と笑います。
年齢や立場にこだわらず、誰とでも心を交わし、何かを吸収する……。そんな松元さんのしなやかさが、いつ会ってもさわやかで鮮度抜群のおしゃれを生み出しているようでした。
『大人になったら、着たい服 2016春夏』より
photo : 岡田久仁子 text : 一田憲子
Profile
松元ルミ子
1961年生まれ。レディスとメンズのアパレル会社勤務を経て「プリット」「リネン」の2ブランドを展開するトリップの代表・松元明久氏と結婚。現在は2人の息子の母であり、会社のスタッフとしても働いている。
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