『雨の日、晴れ。』~おしゃれ暦vol.10~水無月
『ナチュリラ』本誌でも、季節ごとのリアルクローズとそのおしゃれな着こなし方を提案してくださっている人気セレクトショップ「アナベル」。店主の伊佐さんによる、季節のおしゃれエッセイ、第10回目です。本格的な梅雨に突入しましたね。雨の日でも少し気分を上げるために、おしゃれの力は有効です。
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photo:川本浩太 text:伊佐洋平 model:伊佐奈々
1969年、アポロ11号が月面着陸を果たした当時のNASA の設備は、
現在のスマートフォン1台に、遠く及ばなかったそうだ。
スマホを持たないわたくしは使ったことがないのだが、
雨雲レーダーなるもので、雨が降るのか否か、すぐに分るようだ。
ものすごいスピードで進化したテクノロジーの裏で、
失ってゆくものもあるのだろうと、、最近は考える。
朝、テレビをつけてニュースを見る。
今日は、雨が降るかもしれない。
その程度の情報を頭に入れて支度をする。
外に出て空を見上げ、雲の色合いと動きを見る。
湿気とともに、ムワッとした空気を肌が感じている。
もう降るとわかる。
やっぱり降ってきた。
少しニンマリする。
梅雨の雨の日は、最高にじめじめする。
だから、ズボンを履くことをためらって、
Tシャツの上にワンピースをかぶった。
折り畳み傘にワンピースなら、
降り続いても、止んでも、どちらに転んでもいい。
あ、晴れるかな?
やっぱり晴れてきた。
折り畳みで正解だ。
長靴も短い方で正解だ。
雨上がりの風が心地いい。
情報は、判断材料程度がちょうどいい。
洗脳されてはつまらない。
本来あるべき勘もどんどん鈍る。
少しの情報と勘に頼って、あとはかるく念じてみる。
「雨の日、晴れ。」
ジメジメした梅雨の雨の日も、少し楽しくなる。
ワンピース:FACTORY ¥15,000+tax
Tシャツ:TRAVAIL MANUEL ¥7,800+tax
傘:私物
長靴:私物
カバン:sonor オーダー品(私物)
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