おしゃれとは、まだ見ぬ自分に出会うこと 小松ともこさん 「CDC」バイヤー

大人になったら、着たい服
2020.01.06

格好よくなりすぎるより
ちょっとはずすのが好き。
枠からはみ出したところに
きっとおもしろいことがあるはずだから

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あるときは、サスペンダーつきのパンツにセーターを合わせてマニッシュに。あるときは、真っ赤なスカートに黄色のセーターを合わせてキッチュに。会うたびにガラリと印象が変わる小松さん。しかも、マニッシュなのに襟は古着の真っ白なフリルだったり、キッチュなセーターには、ガーリーな付け襟をプラスしたりと、えっ? と驚く組み合わせばかり!

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「洋服は雑食なんです(笑)。優等生に着こなすのではなく、どこかバランスを崩して、“やんちゃ”に着るのが好きですね」

ただし、そこには、綿密な計算が潜んでいます。

「中学生のころから、雑誌『オリーブ』が大好きで、鏡の前でずっと着せ替えごっこをやっていました。まるまる真似をするのではなく、自分にしかない着方を見つけたくて……。今でも、毎日前の晩に、次の日着ていくものを用意するんですよ」

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富山県で、知る人ぞ知る雑貨と洋服の店「CDC」を、夫とともに営む小松さん。洋服のバイイングは、ほとんど小松さんが手がけてきたのだとか。昨年郊外に引っ越し、リニューアルオープンしました。

食にも興味があり、若いころは栄養士の資格を取って、病院で働いていたことも。今は、毎朝お店のキッチンで、お客様にサービスでお出しする焼き菓子を焼いているそう。

実は45歳を越えたころ、何を着ても似合わなくておしゃれの迷路に入ってしまいました。

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「自分にないものを求めるのではなく、自分のキャラクターを生かすおしゃれってなんだろう? と考えたとき、やっと抜け出せた気がします。お店でお客様が、『何を着たらいいかわからない』とおっしゃったとき、『着たことがないものを着てみませんか?』とおすすめするんです。今までとは違う自分が見つかるかもしれませんから」

今年の春から店頭に立つことを少し控え、スタッフに任せて、敷地内に新たなカフェを作ることを計画中なのだとか。

小松さんが、いつも生き生きと見えるのは、常に「やったことがないこと」を楽しむ力を持っているからかもしれません。

photo:回里純子 text:一田憲子

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Profile

小松ともこ

Tomoko Komatsu

1968年生まれ。夫とともに商工会議所がサポートする「2坪ショップ」制度を利用してミリタリーショップをオープン。その後子ども服、レディスのセレクトショップ、雑貨店などへ展開。昨年富山市内で営んでいた「マチルダ」「デュポン35」の2店舗を、1店舗にまとめて「CDC」としてリニューアルオープンした。
https://www.cdcstores.com

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