63歳で田舎に移住。「自分を生きる」おしゃれに 岡本実弓さん 元デザイナー

大人になったら、着たい服
2020.01.09

仕事を辞めたら
自分が何者かがわからなくなりました。
自分で自分を楽しませられるよう
今は毎日に全力投球です

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真っ赤なセーターにデニムを合わせ、後輩たちとバーベキューに。コートをサスペンダーで腰から吊るして、カメラ片手に写真の撮影会に。生き生きと自宅を飛び出していく岡本さんの姿は、まるでやんちゃな男の子のよう。今年71歳になると聞いて驚きました。

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若いころからやりたいことは、体当たり。洋服が大好きで、働きながら、服飾の専門学校に通ったそうです。35歳でアメリカのUCLAのファッション科に留学。

「パターンができるデザイナーになろうと決めていたんです」

帰国後は、海外ブランドのチーフパタンナーを経て、「P4」や「バレンザ」のチーフデザイナーを務めるなど、ファッションの第一線を走り続けました。

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そんな岡本さんが仕事を辞めたのが60歳のとき。地元に帰って、ゆったりとした暮らしを始める予定でした。ところが……。

「毎日やることがなくて、私って一体何者なんだろう? と考えると涙が出るんです。暇すぎてうつ病になってしまいました」

でも、そこで立ち止まらなかったのがすごいところ。

「私は、スケジュール帳が真っ黒じゃないとダメなんだとわかり、ジムに通ったり、日本画を習ったり、畑で野菜を作ったり。最近では、忙しくて」と笑います。

仕事をしていたころは、真っ赤な口紅を塗り、モダンファッションで「ブルゾンちえみさん風だったわね」と笑う岡本さん。田舎に移り住み、まずは化粧をすることをやめました。

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今は、かつて「経験を買うつもり」で背伸びをして買ったハイブランドの洋服に、「ユニクロ」や「ザラ」のファストファッションのアイテムで「今」をプラスするのがおしゃれの楽しみ。靴下1足から、サスペンダー1本まで、そのディテールへのこだわりの貪欲なこと! 

岡本さんが、人生の後半に知ったのは「自分を楽しませることができるのは自分自身」という事実でした。筋トレも絵を描くことも日々のおしゃれも、昨日より今日、一歩前進する「伸びしろ」を楽しむ……。それが「仕事」という第一ステージを卒業したあとも、自分を輝かせるコツなのかもしれません。

photo:回里純子 text:一田憲子


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Profile

岡本実弓

Mayu Okamoto

1948年生まれ。海外ブランドの「オスカー・デ・ラ・レンタ」のチーフパタンナーを経て「レナウン」に勤務。「P4」「バレンザ」のチーフデザイナーを務める。退職後は畑仕事をするために群馬県に移住。日本画など多彩な趣味を楽しんでいる。

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