そのおしゃれは諦めて vol.1 ~ルノンキュル 木村牧子さん
こんにちは、ルノンキュル木村牧子です。
今月は「諦める潔さ」についてお話してみたいと思います。
ときどき、おしゃれが辛いときってありませんか?
おしゃれは楽しみであっても、着るものに「苦手な要素」ってなにかしらありますよね。色、襟の形、丈、素材、柄。どんなに美人でもスタイルが良くても、誰だって似合わないものは必ずあります。
あなたの肌や目の色のタイプ、骨格や顔立ちにはこれが相性が良いです。これは良くありません。なぜかと言うとこういう理由からです。「なんとなく苦手」をこういう具合に理論的に明確にするのが、私たちパーソナルスタイリストの仕事。
結果的に同じ「苦手」には変わりなくても、理論的に理解するということで、おしゃれは段違いにラクに楽しくなります。
それはなぜでしょうか。
「自分には似合わない」と感じている色やアイテムに対して、人の対応は2つに分かれるもの。
1. 頑として手をつけない。
2. あるいは何度もトライして同じような失敗を繰り返す。
前者は「無関心」、後者は「執着」。ここには面白い心理が働いています。
人は工夫でなんとかできるかもしれないものに対してはそれほど興味を示さない反面、努力しても手に入らないものには執着が捨てられないという、真逆の対応をしてしまうものです。
なぜかというと、自分のイメージには程遠い=似合わない魅力ほど優れているように思えるから。隣の芝は青いのです。無意識下で手に入らないと知っているからこそ、求めてしまうんですね。本当の「好き」とは違うのに。
仕事を通してこういう人を山ほど見てきました。
可愛い人は大人っぽさを求め、繊細な人は大胆さを求め、重厚な人は爽やかさを求めます。
手に入らないとわかっているイメージを求める。これはおしゃれにとっては一番の遠回り。いえ、おしゃれだけに限らず、生き方すべてにおいて遠回りです。
vol.2に続く
Profile
木村牧子
「ルノンキュル」主催。関西学院大学卒業後、全日本空輸㈱で国際線CAとして勤務。退職後に転身し、子供の頃から夢だったデザインの道に進む。10数年間グラフィックデザイナー、テキスタイルデザイナーとして色や素材に関わる中で、「装い」や「色」が人の生きるパワーや自信と深く関わることに強く興味を引かれる。色彩学、心理学を学ぶうちに、「見た目」を通して人の内面、生き方を前向きに元気にさせる仕事をしたいと思うようになり、パーソナルスタイリング、イメージコンサルティング、パーソナルプロデュースの仕事を開始。現在は平日はデザイナー、週末はイメージコンサルタントとして活躍中。http://www.renoncule.net
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