巧みなパターンから生まれる美しきコート

～「les trois entrepots（レ・トロワ・アントゥルプ）」より vol.25 ～

アパレルブランドでデザイナー・パタンナーとして長年経験を積み、2018年に現在の自身のブランド「.less（レス）」を立ち上げた吉川友美さん。ずっと作りたかったという思い入れのあるローブコートをご紹介します。

たっぷりと分量をとったAラインのボディ。そしてフロントの合わせ部分の布を思い切って大きく取ることで、自然に下に落ちて大きなドレープが現れます。このローブコートの魅力はその分量感とフロントのドレープ部分から生まれる ”動き“。張りのある生地もその”動き“に魅力を与えています。※インナーのブラウスとパンツともに「.less（レス）」のものです。

ボリュームがあるだけのデザインではなく、肩幅やアームホールはスッキリしたシルエットにし、後ろの大きなインプリーツで調整しています。長年パタンナーとしても活躍した吉川さんの計算されたパターンメイキングから生まれるシルエットは、着る人を美しくみせてくれるのです。

共布のサッシュベルトを締めれば、フロントの表情もアレンジできます。

ローブコートはブラックとベージュの２色。色でずいぶん印象が変わります。モード感のあるブラックに対して、ベージュは少しきちんと感のあるトレンチコートの延長のよう。またローブコートは女性用に作られていますが、男性でもＭサイズ程度の方であれば着用いただけます。実際にお店でも複数の男性がお買い上げされました。きちんと作られているからこそ、着る人を選ばす、着方もその人の個性が発揮できる自由度の高いコートなのです。

吉川さん自身がマイペースに活動中で、現在の常設は「レ・トロワ・アントゥルプ」だけです。ぜひ袖を通してみてください。

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写真：太田昌宏

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