させば、そこはまるでオアシス! 「ボンボンストア」の日傘
名作と呼ばれる映画には、必ずといっていいほど実力派の脇役が存在するもの。それは、おしゃれも一緒です。一見何げないのに、実は丹念にこだわって作られたアイテムたちは、主役を引き立てるための十分な腕前を持ち合わせています。この連載では、そんな“おしゃれの名脇役”にスポットライトを当て、王道のものから隠れた逸品まで、幅広くリポートしていきます。
photo:吉松伸太郎 text:三宅桃子
7月初旬の、陽がさんさんと降り注ぐ梅雨の晴れ間。いつもと変わらず素敵な装いで現れたのは、アタッシェ・ドゥ・プレスの岡本敬子さん。
うだるような空気の中、岡本さんがいる場所だけに木漏れ日のようなオアシスが。麦わら帽や洋服、肌には、お花畑のような影が映り込んでいます。その影を作り出していたのは……。
デザイナーの井部祐子さんが手掛けている「ボンボンストア」の日傘です。井部さんと岡本さんは、数十年来の友人同士。
「岡本さんは、この世の中で一番私の傘を持っている人なんじゃない?」
「私のまわりはファンが多くて所有率は高めだけど、6本も持っているのは私だけかもね。『ボンボンストア』の傘は、暑さをしのぐための道具として、また雨が苦手な私の気分を上げてくれるアイテムとして、必要不可欠な存在なの」
その言葉通り、岡本さんのインスタグラム(アカウント名:kamisan_san)には、愛用している様子が日々アップロードされています。
「ボンボンストア」日傘 各¥22,000
※以下、商品の価格は2016年7月現在のもので、表示は税抜きです。
普段使いはもちろん、浴衣に合うのも魅力。使われているのは、女性らしい気品と風情が漂うアジサイ柄のコットン。
厚手の生地が紫外線を吸収し、カットワークレースから吹き抜ける風が心地よい涼を運んでくれます。
ポンッとバッグに入る、全長53㎝という小ぶりなサイズもうれしいところ。
バッグからチラッと見える持ち手とレースは、コーディネートの一部のよう。“持ち主は上品でおしゃれな女性に違いない”と想像してしまうほどの美しい佇まいです。
「見たことがない物を作りたいので、職人さんからは『え? 本当にこの生地で傘を作るの?』とか、よく聞かれちゃうんです」と笑う井部さん。
晴雨兼用や折りたたみタイプも多く展開していて、生地によって留めボタンやハンドルを変えているというのも、おしゃれ心をくすぐられるポイントです。
「ボンボンストア」傘(赤×白のだまし絵ボーダー柄)¥15,000、(赤レース)¥22,000、(青のアフリカンバティック柄)¥13,000、(マスタードイエローの折りたたみ)¥12,000
※赤レースは日傘、マスタードイエローの折りたたみ傘は雨傘、その他は晴雨兼用傘
目を引く色柄は好きだけど、なかなか難しくて……という人こそ、傘で取り入れてみてはいかがでしょう? 傘の花を咲かせれば、自分もまわりもワクワクするはずです。
「物心ついた頃から雨が好きで。傘にあたる音や水たまりに映った空の模様が忘れられないんです」。井部さんのノスタルジックな記憶とセンスが凝縮されたのが、ボンボンストアの傘。小粋にさせば、夏の美人度が増すこと請け合いです。
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