南蛮窯で焼き上げる「日用美のかすてら」

今日のひとしな
2021.11.30

~「日用美」より vol.30 ~

8年前、お店を始める時に、いつかカステラを焼きたいと思っていました。たくさんの方たちに助けられて、やっと今、念願が叶い、少量ですが自分で焼いた「日用美のかすてら」をお店に並べることができるようになりました。



そもそもカステラを作りたいと思ったのは、私の家族の生業がきっかけ。祖父が福岡で養鶏場を始めて、母は卵を使った菓子店を営んでいましたが、2017年に閉店。その後、私たちと同居するために二宮に移住するにあたり、店で使っていた南蛮窯を1台持ってきてくれました。



家を建てるのに随分時間がかかった上、細い急坂の上にある我が家。保管、配送、設置、メンテナンスをしてくれた「七洋製作所」さんには大変お世話になりました。重さが1トンもあるので、大丈夫ですか? と不安気に問いかける私に、「七洋製作所」の橘さんは、「なんとかします! 最後はマンパワーです。」と。その言葉通り、6人で窯を支え、木にウインチを巻きつけて上まで運びこんでくださいました。



そしてやっと、「日用美のかすてら」作りが始まりました。

まずは材料探しからです。カステラ1枚を焼くのに65個も卵を使うので、卵が一番重要です。いくつか近隣の養鶏場を訪ねましたが、カステラに合う卵をなかなか見つけられず、空気と水と餌にこだわって鶏の飼育をしているところを探して、たどり着いたのは、数十年も母がお世話になっていた「グリーンファーム久住」さんでした。卵臭さのない元気な有精卵を毎週送って頂いています。



そして、蜂蜜は逗子の林養蜂さんのものを使用しています。通常、蜂蜜は早く採り加熱して甘さを引き出すところが多いと思いますが、林さんは完熟するまでそのままで非加熱の蜂蜜を絞っています。



自然界になくてはならない蜂を大切に育てている林さんは、蜂が越冬するために必要な蜂蜜はとらないようにしています。そうして大切に育てられている蜂たちの蜂蜜なので、美味しくない訳はありません。砂糖はミネラル分が残っている甜菜糖を使用しています。



「日用美のかすてら」(2200円)は、毎週日曜日に店頭に並びますので、是非ご笑味頂けたら幸いです。



この販売を記念して、スプーン作家のmiyazono spoonさんが「for nichiyobi」というカステラを美しく食べられるスプーンを作ってくださいました。試作を10本以上作り、ふたりで試食しては、あーでもないこーでもないと言いながら出来上がったのは、ケーキや和菓子を切って刺せてすくえるデザインです。

そして、木工作家の森田孝久さんは、カステラにちょうどいい器を、栗の木で作ってくださいました。なんだか、ほんわかするカタチ。このふたつのアイテムも時々入荷しますので、タイミングが合えばお手にとって頂けたらと思います。

さて、連載も本日が最終日となりました。私は店で様々なものをご紹介しておりますが、私自身の手で作ったものをご紹介するのは初めてのこと。少し気恥ずかしく、でもとても嬉しく楽しい一か月でした。ここまでくるのに携わってくださった皆さま、ありがとうございます。これからもスローペースですが、「日用美」、そして本日ご紹介した「日用美のかすてら」作りにも精進していきますので、どうぞ皆様よろしくお願いします。


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日用美

神奈川県中郡二宮町二宮1022-2
TEL:0463-74-6603
営業時間:11~17:00
営業日:日、月、火曜
https://nichiyobi365.wixsite.com/nichiyobi
Instagram「@nichiyobi_asakawa

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