フィンランドの器と手吹き硝子の朝ごはん
「Les-VACANCES /レ・ヴァコンス」山崎綾さんvol.2
こんにちは。宮城県仙台市で民窯中心の手仕事を扱う店「Les-VACANCES」店主の山崎綾です。朝ごはんコラムの2回目もどうぞよろしくお願いいたします。
家の食器も店と同じく、日本の民窯のものがほとんどですが、縁があり仕入れをしている北欧フィンランドのARABIA社のヴィンテージの器を少しですが使っています。
ARABIAの食器を使う時は、北欧を旅した時の思い出やその国の空気感に浸りながら器も愛でてゆっくり過ごす心地よい時間です。
フィンランドは、冬が長く、白夜があったりと1年を通して外が暗い時間が多いのですが、ARABIAの器は、人々が家の中で暖かで明るい気持ちで過ごせるようにと北欧の自然をふんだんに表現して作られています。特に古いものはまだ手作業や手描きのものがあり、手仕事の温もりを感じることができます、また機能性もよく丈夫で長持ちで、本当に使う人々のことを考えて作られているんだなと感じます。
日本に連れて帰ってきたARABIAの器と日本のものや自分の生活がしっくり合う瞬間を感じると「日本にようこそ!」と幸せな気持ちになります。
今回の朝食は、私の大好きなスコーンとARABIAのヴィンテージの器を合わせてみました。
スコーンとジャムは、レ・ヴァコンスの近く、仙台の大町で大人の焼き菓子を作っている(実店舗はなく、イベントなどで販売されてます)「Demi-sec de M(ドゥミセックドゥエム)」さんの定番商品です。
ARABIAの1950〜70sのクラッシックな雰囲気のケーキプレートに乗せて。少し大きめのプレートなので一緒にジャム、果物、クロテッドクリームやバターなど取り分けたものを乗せられます。
ジャムは星耕硝子さんの八角の蓋ものに。容器だけではなく蓋も硝子というのは手吹き硝子ならでは。そして手仕事のものでも蓋が ”ピタッ” っと収まり安定する作りであるのも星耕硝子さんの熟練の腕の良さが表れている当店でも人気のアイテムです。
硝子とジャムの色が重なるとみずみずしくキラキラしていますね。
スコーンのお皿と同じシリーズのデミカップに新玉ねぎのポタージュ(前の晩ごはんの残りもの)。友人の畑の無農薬の玉ねぎとチャイブです。
私はお料理の盛り付けが得意ではないので、真っ白でシンプルなお皿は私のアラが目立ってるように感じてしまいます。しかし白でもこのデザインのようにスカラップカットや、エンボス、縁に細工があるものは奥行きが出て見え、それに助けられているような気がします。
今年は東北も季節があっという間にめぐって、夏の野菜が早々と出てきました。
サラダは季節を表現できる一番身近なものですよね。ちょうどこの頃は、宮城県の農家さんのスナップエンドウやクレソン、山形の大きなマッシュルームなど八百屋さんに並び始めて食卓もカラフルに。ARABIAのデザイナーRaija Uosikkinen/ライヤ・ウオシッキネンの1970sのプレートに盛り付けました。ライヤの手描きの植物モチーフは特に好きなアイテムです。器のグリーンと野菜のグリーンのグラデーションが美しいですね。
人参とカレンデュラ酵素酢のドレッシングを太田潤手吹き硝子工房の栓付き瓶に。
太田潤さんの硝子は再生硝子で廃瓶のリサイクルです。目と手の感覚でどんどん作り込んでいく作り方はまさに職人の作り方。同じものでも個体差がありますが、自分の手にしっくりくるものを選べます。再生硝子のゆらゆらした表情と細かい気泡がアンティークの硝子のようで、ヴィンテージの器の食卓にも馴染みます。
Old ARABIA(1930〜40s)の小ぶりのオーバル皿は、ちょっとした果物やチーズを乗せるのに良いサイズ。控えめな明るさのブルーも今はない釉薬ですし、モチーフのにじみ具合も古いものが好きな人にはたまらない雰囲気だと思います。果物を乗せた時のコントラストが自然できれいですね。
今回使用した器は、私物なので商品ではありませんが、ARABIAのヴィンテージは3〜4ヶ月に1回ほどの間隔で荷物が届きます。入荷のお知らせはその都度、SNSでご案内しております。その中に皆さんの朝食を豊かにしてくれるスペシャルな器が見つかりますように。
宮城県仙台市青葉区立町9-14 正栄ビル西公園101
TEL/FAX:022-702-3813
定休日:木・金曜・不定休
http://www.les-vacances.info
Instagram:@les_vacances74
X:@les_vacances74
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