民窯の焼きものと郷土料理の朝ごはん
「Les-VACANCES /レ・ヴァコンス」山崎綾さんvol.3
こんにちは。「Les-VACANCES」店主の山崎綾です。朝ごはんコラムも3回目となりました。今回も民窯の器を中心に書かせていただきました。どうぞよろしくお願いいたします。
朝のご飯は伊賀焼の土鍋で炊きます。土鍋はいくつか持っていて、今回はお鍋の時に卓上でも使っている浅めの土鍋で炊きました。
伊賀の良質な白土だけで作られているので野菜を炊いても美味しいですし、お米も立ってふっくら。浸水をしなくても時短で炊けるので忙しい朝の30分、他のことを準備しながらできる作業です。
炊いたご飯は、夏は冷蔵庫に入れるので伊賀焼の陶器のおひつに。冬は、木のおひつに入れてできるだけ自然な状態を保つようにしています。
味噌汁のお碗は佐賀県の唐津焼の飯碗の形です。
夏になると味噌汁にもごま油で炒めた茄子を入れるのが定番です。食材が傷みやすい時期なので残っている他の野菜もどんどん味噌汁に入れるのでこの碗の少し大きめのサイズがちょうどよいのです。
飯碗は、大分県小鹿田焼です。逆にこちらは汁碗で深さがある形ですが、手に持った時の安定感が気に入ってご飯に使っています。指描きという技法でまさに指で表面の釉薬を掻き落としていて中の黒い土が見えているところも気に入っています。
小鹿田焼は、民藝を語る上では外すことはできない江戸時代から一子相伝で続く日本を代表する焼きものです。雑誌やテレビでは「飛びカンナ」という技法を紹介されることが多いのですが、実際は7つの技法があり、どの技法も美しくお料理を引き立ててくれ人気です。
宮城県の郷土料理の一つに ”しそ巻き” があります。今から400年ほど前に ” 仙台味噌” を推奨していた伊達政宗公が、宮城県北の鳴子温泉に湯治に来る観光客向けに作られ始めたと言われています。仙台味噌の中にゴマやクルミを練ったものが巻かれてありそれを油で揚げたサクっと甘しょっぱい保存食です。鳴子の温泉卵と一緒に手土産げなどにいただくことが多く、わが家でも時折、食卓に上がります。もちろん大好物です。
しそ巻きの時の器は、福岡の小石原焼・太田哲三・圭窯の櫛描きの15cmのお皿です。小石原焼は、小鹿田焼のお兄さん窯に当たります。技法は似ていますが、土質が全く異なるので、色、形、重さなどにその違いは表れます。昔ながらの薪の窯・登り窯で昔ながらの焼きものを作っている窯は現在は少なくなり、その一つが太田哲三さん(父)と圭さん(息子さん)の窯です。重厚で、ふち作りがしっかりしていて丈夫な日常使いの器です。
温泉卵の小鉢は、福岡の小石原の太田潤手吹き硝子工房のモール小鉢です。縁に色が付いてるのはアクセントになり、泡(気泡)がたくさん入っているのも異国情緒あふれ雰囲気があります。手吹き硝子は7月のイベントの時にたくさん入荷する予定です。
器をはじめ、ピッチャーや花瓶なども揃いますので是非ご覧いただけたら嬉しいです。
その他
白菜菜が乗った器・・・熊本県 小代焼
土瓶(チューカー)・・・ 沖縄県 北窯
湯呑み・・・個人窯
かぼちゃが乗った縁付き皿、箸置き・・・大分県 小鹿田焼
箸・・・福井県 若狭塗乾漆はし
宮城県仙台市青葉区立町9-14 正栄ビル西公園101
TEL/FAX:022-702-3813
定休日:木・金曜・不定休
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