～自律神経を整える「梅雨」の献立～　茂田正和さん 食べる美容 料理教室vol.1 レポート【前編】

健やかで美しい肌を保つライフスタイルをデザインする、化粧品『OSAJI』のブランドディレクター 茂田正和さんは、プロの料理人も思わず唸るほどの料理の腕前の持ち主。著書『食べる美容』（主婦と生活社）では、季節ごとの肌悩みをケアする美容養生食を提案し、レシピ作成から調理まで担当。そんな茂田さんが自ら講師を務める料理教室が合羽橋の『釜浅商店』イベントスペースでスタート！耳寄り情報満載のレクチャーの様子を、不定期連載にてお届けします。

冒頭で飛び出したのは、「お酒が飲める方はぜひ一杯飲みながら、カジュアルに料理を楽しむ時間にしてくださいね」という気さくな茂田さんらしいご挨拶。

それでいて、レクチャーの中では著書『食べる美容』さながら、肌のための栄養ポイント、レシピで使った食材や調味料のこと、そして茂田さん愛用の料理道具の魅力まで、余すことなく語られるという唯一無二な料理教室の始まりです。

第1回目のテーマは、“自律神経を整える「梅雨」の献立”。
「気分が鬱々としやすく、身体は血流が停滞してむくみがちになる梅雨の時期は、余分な水分の排出を促し、代謝を高め、自律神経を整えてくれるような食事がおすすめです」

茂田さん指南のもと、海藻豆腐、鰯と三つ葉のサラダ、ほや飯、蛸の生姜煮込み、４品の料理を作りました。

「海に囲まれた日本には、古くはこんな食事をする先住民がいたのでは？ という想像を広げて誕生した４品です」

海藻豆腐
ミネラル豊富な布海苔とあおさ海苔がたっぷり、味付けは白醤油、味醂、日本酒、柚子胡椒であっさりめに、仕上げにとろみをつけた汁もの。

具材には鶏むね挽き肉と絹ごし豆腐が入っているので、スルスルと食べられるのに満腹感もしっかり。
海藻に含まれるマグネシウムは、肌のバリア機能の修復に欠かせないそう。

「海藻には、カリウムも含まれています。カリウムは体の中の水はけを良くしてくれるので、むくみやすい梅雨は不足しないよう気をつけたいミネラルなんです」

また、このスープはタンパク質をしっかり摂れるのもポイント。
「このスープ１人前で、１日に必要なタンパク質量のだいたい４分の1量が摂れます。スープで使う水を豆乳にすれば、さらにタンパク質の摂取を増やせますよ」

鰯と三つ葉のサラダ
タイ北部やラオスでよく食べられている挽き肉とハーブのサラダ「ラープ」をヒントにしたというサラダ。

挽き肉は鰯に、ドレッシングで使うナンプラーはしょっつるに、ライムは酢橘に置き換えて。鰯のほろ苦な旨みを、生姜や三つ葉の香りで爽やかに食すことができます。

「鰯に含まれるビタミンEは抗酸化作用が高く、細胞膜や血管、神経系を健やかに保ってくれる栄養素です。また、鰯に含まれるEPAやDHAといった良質な油は、悪玉コレステロールを減らし、脳を活性化してくれます」

青魚が苦手ならば、鰯を蛸にチェンジしてもOKとのこと。そのほかのチョイスとしては具を鶏肉にして、ドレッシングのベースで使った太白ごま油を、EPAやDHAと同じ脂肪酸を含むエゴマ油や亜麻仁油にすると、今回のレシピと近い栄養素を摂れるレシピになるそう。

「書籍と同じように、この料理教室では“食材の置き換え”についても触れていきます。栄養素を軸に、食材や調味料の見立て方もお伝えするので、質問もどんどんしてください」

後日お家で再現しようとしても、レシピと同じ食材を揃えられないこと、自分としてはその食材を使いたくても家族が苦手で…なんてことは、よくあるもの。食通の茂田さんだからこそ導きだせる、相性の良い食材の置き換え提案に、参加者の皆さん興味津々でした。

→【後編】へ続きます

photo：小松原英介　text：石塚久美子

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『食べる美容』