あったか煮麺の朝ごはん
「ムーシュリーク」福井さん vol.2
器店主の朝ごはん、10月の2回目になります。今週も「ムーシュリーク」の福井崇之です、よろしくお願いいたします。
淡路島と言えば、玉ねぎが有名ですが、昔は「花とミルクとオレンジの島・淡路島」を掲げていたようで、小学校の社会の授業で皆んな揃って連呼した記憶があります。今だときっと"玉ねぎ"は外せないワードになってるんじゃないでしょうか。
そして、あまりご存じではないかもしれませんが、淡路島は昔から玉ねぎ以外にもお線香や素麺の産地でもあります。 実はそれぞれ潮風が大事なポイントとなり、玉ねぎは玉ねぎ小屋で潮風にさらし乾燥させると甘みが増すと言われてたり、線香も成形した線香を干すときに潮風に当て乾燥させます。また素麺も同じで手延べした素麺を海から吹いてくる潮風で自然乾燥し作られています。
今朝は夏に大活躍した素麺の残りであたたかい煮麺と、昨晩の残りの炊き込みご飯でおにぎりを。梅が好きで梅うどんをよくするのですが、今回は梅煮麺にしました、簡単で良いです。
俊彦窯・丼鉢と豆皿と土瓶
煮麺の器は、胴回りに"しのぎ"と呼ばれる細い溝が施された、丹波立杭焼の俊彦窯・しのぎ手丼鉢です。
俊彦窯は、清水俊彦さん、現在80歳の作り手さんの窯元になります。いつお伺いしても、黙々とお仕事をされてるのが印象的ですが、先日もしのぎの溝を一本一本削りながらも、工房に毎年巣を作りにくるツバメの話など、いつもやさしく色々とお話しをしてくれます。素地は少し厚めに作られてますが、しのぎや面取を施すと少し薄く軽くなり、削ったり削いだりした表情が手仕事感にあふれ何とも言えないあたたかみを感じます。
また、同じく俊彦窯の黒いしのぎ手豆皿には、梅と淡路島のちりめん山椒を。ツルを編んだ持ち手の土瓶も俊彦窯です。昔は山にツヅラフジのツルを採りに行ってましたが、環境の変化などで採れなくなってきてるそうです。水に浸けやわらかくし、俊彦さん自ら手で編んでおり、全てが手仕事から作られる素敵な土瓶ですね。ほうじ茶を。
欅窯・蓋モノ
少し小ぶりな蓋モノは、長崎の欅窯・庄司宣夫さんの器です。カレー屋を営みながら、ご自身の器や新旧の世界の工芸品を扱っており、李朝、やちむん、西洋やアジアの民芸など色んな要素を感じるステキな器を作られています。
この蓋モノには梅干しを沢山入れて常備しています。
まゆみ窯・オードブル皿
炊き込みおにぎりの器は、まゆみ窯・眞弓亮司さんの象嵌(ぞうがん)オードブル皿です。白い模様は象嵌と呼ばれる、彫った線を白化粧で埋めた装飾です。鉄分を含んだ透明釉がモスグリーンになって白い文様がキレイに見えます。平らな平皿なので、おにぎりやお寿司などを盛っても倒れにくくここぞという時に、とても重宝します。
中田窯・灰釉上絵リム皿
バナナとキウイの器は、愛媛の砥部焼中田窯・中田正隆さんの5寸リム皿です。砥部焼?と思われる方もいると思いますが、あたたかみを感じる灰釉を施釉し色上絵で染め付けられた器は、現在78歳の中田さんが作られる、長年やってこられた色んな要素や技術が凝縮された人気の器です。リムに絵付けなどの装飾があると、何を盛っても様になります。デザートやフルーツ、ケーキなど、とても良いですね。
野はら屋・コーヒーカップ
食後のコーヒーには鹿児島で作陶されてます、野はら屋・佐々木かおりさんのコーヒーカップを。
沖縄で修行されてた佐々木さんですが、その土地の材料で作られるやちむんに感銘を受け、地元の鹿児島に戻り桜島の灰などを含むその土地の材料を使い、鹿児島で作られる意味のある器を日々作っておられます。
このコーヒーカップは昔に作られたモノですが、今では黒もんと呼ばれる黒釉、また苗代川、また韓国の器など、その土地や学んでこられた要素を消化しながらステキな器を作られています。
古物・湯呑みと箸置き
竹箸・大内工芸
そして、湯呑みと箸置きですが、こちらは昔のモノでとても気に入って使ってます、岡山の沖塩明樹さんの器です。どこかかわいらしさがあって良いですね。
竹箸は、大分の大内工芸・ダイヤカット箸です。
先端が細く食事の所作が、どこか上品になるような気がしますし、また口当たりが良くとても使いやすいので買い替えたりしながら、こればかり使ってます。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。また来週もよろしくお願いいたします。
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