子どもたちを送り出した後の朝ごはん

器店主の朝ごはん
2025.03.01

「TOUKOUSYA 」神山裕紀さん vol.1

こんにちは。2025年3月の「器店主の朝ごはん」を担当させていただく、食卓と暮らしの品々を扱う店「TOUKOUSYA(とうこうしゃ)」の神山裕紀と申します。
毎月の店主さんたちのような素敵な内容でお届けできるか不安ですが、読者の皆様と共感しあえるところがあれば幸いです。1か月間、よろしくお願いいたします。

我が家は妻と子ども3人の5人家族。
独身時代ほぼ朝食をとる習慣がなかった私にとって、朝食をとる習慣と重要性を教えてくれたのは妻。もう朝食なしには1日は始まりません。とは言いつつ、毎日作ってくれるのも妻。


小学生2人を見送り、一番下の子を幼稚園まで送り届けた後、焙煎室に戻りコーヒーの焙煎作業に入るのが私のいつもの日課。親しくしているカメラマンのアラタケンジさんの勧めもあってこの場所に焙煎室を作ったのですが、普段光を相手にしているプロはどんな光が入ってくるかもきっと分かっていたのでしょう。ここに焙煎室をつくって正解でした。

あれ?
器屋の店主では?と思った方は、ぜひ店舗紹介も合わせてご覧ください。コーヒー豆の焙煎もする器屋なのです。


Photo by ARATA KENJI



焙煎前の予熱のタイミングで朝の一杯を。店内で唯一朝陽の入るこの焙煎室での時間は、自分にとって仕事のスイッチを入れる大切な時間でもあります。


我妻淳さんの青白磁のマグはしっとりとしていて艶やかで、釉薬と生地の厚みのバランスも絶妙で良いのです。私はコーヒーを飲むとき、いつも磁器のものを使います。
土からできていて吸水性のある陶器は、まれにコーヒーの味を変化させてしまうことがあります。すべての陶器がそうではないのですが、純粋にコーヒーを味わいたいときは磁器または炻器のカップをおすすめします。

一通り焙煎が終わったところで朝ごはん。今朝は、パンとスープに目玉焼きとサラダ。


使用したうつわは、土の家 小林まり子さんのスープカップとプレート。
細やかに針で描かれたかわいい世界が広がり、やわらかな土の表情が色とりどりの畑の食材とも相性が良いですね。


いつか、まり子さんに絵本を書いてほしい。勝手にそんなことを考えてます。


この日は先に飲んでしまいましたが、パンにコーヒーは暗黙の了解。これは我が家に限らずですね。
コーヒーもそうですが、使用するカップをあらかじめお湯で温めておくと汚れにくく温かいまま飲むことができるので、少しだけお湯を多めに沸かしておくことも忘れずに。


個性のある器には、同じ焼き物より全くの異素材であるガラスや木のアイテムが合わせやすくておすすめです。
釉薬の質にもよりますが金属製のカトラリーはうつわに痕をつけてしまうことがありますし、カチャカチャ音もせず口当たりも良いので、我が家では木のスプーンやフォークを使うことが多いです。


ここ栃木のある県南エリアはいちごの生産が盛んで、この時期になると手頃ないちごが出回ります。そんないちごで作ったコンポートと合わせるのは、土曜日しか営業しない人気のパン屋「Peanuts bakery」の季節のいちご酵母を使った角食パン。
子どもたちはPeanutsさんのパンとわかると目の色を変えます。均等に切り分けたつもりでも大きいものを取り合い、なくなるスピードの早いこと。

余談ですが、全国的にも有名な栃木が誇る「とちおとめ」は、ここ数年で多くの農家さんが「とちあいか」という品種に作り替えていて、その勢力図が変わりつつあります。これからは「とちあいか」が主力になるようです。もし機会があれば、食べ比べも良いですね。


最後までお付き合いいただきありがとうございます。また来週もよろしくお願いいたします。

 

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TOUKOUSYA(とうこうしゃ)

栃木県栃木市倭町5-17
TEL:0282-23-2251
定休日:日曜・月曜
https://toukousya.net/
Instagram:@toukousya_

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