【おへそのお取り寄せ Vol.01】小川 糸さんの「自分で作らないおもてなし」
『「おいしい」を習慣に。暮らしのおへそのお取り寄せ』より一部抜粋してお届けします
今回、食いしん坊15名の方に実際にふだん取り寄せているものを教えていただき、そこにわたくしイチダと編集部のおすすめを加えました。どれも、本当に暮らしに役立つとっておきばかりです。おいしい出会いのきっかけにしていただけたらうれしく思います。
「暮らしのおへそ」編集ディレクター 一田憲子
人が集まる日だからこそ、
ちょっと奮発して
老舗の名品をお取り寄せ
作家 小川 糸さん
紫野和久傳の
「季節の鍋」
こちらは、取材時の夏の鍋セット。冬瓜や茗荷、きゅうり、ハモなどが入っている。梅干しをだしに入れて少し崩してから具材を入れると、ほのかに酸味を感じるおいしさ。最後に大根おろしと蓮根麺を入れていただく。
「京のひめ苞」鱧の暑気払い鍋2人前 ¥9,180(7、8月限定)
山の家に引っ越してから
おもてなしのために
頑張らなくなりました
2年前に東京から八ヶ岳へ移住した小川さん。友達が訪ねて来る際にちょっと奮発して取り寄せるのが、知る人ぞ知る、京都のおもたせの店「紫野和久傳」の鍋セットです。
「以前は自分ですべて料理を作っていたけれど、頑張らないことにしたんです。あれこれ準備してクタクタになるより、友人たちとの会話をニコニコ楽しめたほうがいいと思って」と笑います。
だしや野菜、〆の麺などすべて揃っているので、鍋に入れるだけで完成! 「だしがとってもおいしくて、旬の京野菜が入っているのもうれしいですね」。季節で変わるおいしさも楽しみです。
中で動かないよう心を尽くして梱包された箱を開けると、食材が入った楕円形の容器が。その下にだしが入っている。
丁寧に取っただしがいちばんのごちそう。鍋に移して火にかけて具材を入れるだけなので、お客さまを待たせずに完成!
種を取ったきゅうり、軽く下ゆでした冬瓜、少し焼き目をつけたハモなど、丁寧に下ごしらえされた具材を眺めるのも楽しい。
セットで入っている大根おろしをだしに加えて温めたら、蓮根麺を投入。麺にだしの染みた大根がからんでおいしい。
紫野和久傳
TEL:075-415-1800
https://shop.wakuden.kyoto/shop/
出羽屋の
「山の宅配便」
つるむらさきには、ふだんお店ではなかなか目にできない花が添えられていた。
山の宅配便(季節ごとの旬の野菜が届く) ¥5,000~
故郷の山形から、
旬の恵みをお取り寄せ。
素材丸ごとを味わいたいから、
手を加えるのは最小限に
「基本的に、自分が暮らす土地で取れたものを食べたいと思っているんですが、故郷である山形の食材は別。地元の山菜料理専門宿『出羽屋』さんから山菜や野菜を送ってもらっています」と小川さん。
ひとつずつ和紙でくるんだり、袋に入れた野菜は、まるで山からの贈り物のよう。つるむらさきはおひたしに、菊の花びらはくるみあえに。
「春先は山菜だけのセットが楽しみ。お節料理も素晴らしくて、ここのを知ってから自分で作らなくなりました」
つるむらさきをさっとゆでておひたしに。愛らしい花も添えて。いちじくは、軽く焼き目をつけると、生とは一味違ったコクのある味わいに。実家でもよく食べていたという菊は、丸ごと1輪で届く。花びらを外し、ゆでて、くるみあえにすると、美しい一品に。
出羽屋
TEL:0237-74-2323
https://sansai-dewaya.stores.jp/
photo:枦木 功 text:一田憲子
「おいしい」を習慣に。
暮らしのおへそのお取り寄せ
Profile
小川 糸
『食堂かたつむり』(ポプラ社刊)で作家デビュー。以降多くの作品が世界じゅうで愛されている。3年間ドイツと日本の2拠点で暮らしたのち、帰国。2022年より長野県の森のなかで山小屋を建てて暮らしている。
肩の力を抜いた自然体な暮らしや着こなし、ちょっぴり気分が上がるお店や場所、ナチュラルでオーガニックな食やボディケアなど、日々、心地よく暮らすための話をお届けします。このサイトは『ナチュリラ』『大人になったら着たい服』『暮らしのおへそ』の雑誌、ムックを制作する編集部が運営しています。