水曜日の朝ごはん

器店主の朝ごはん
2026.04.04

「Toé Crafts and Cafe」重富 紅実さん vol.1


皆さま、はじめまして。宮崎県宮崎市北部の町「佐土原」にて「Toé(とえ)」という作家もののうつわのセレクトショップ兼カフェを営んでいる重富紅実と申します。
大変ありがたいことに今回より4回にわたって、僭越ながら日々の朝ごはんをご紹介させていただくことになりました。

通常、朝ごはんはひとりでカフェ仕込み前の店内でいただきます。静かな店内で庭を眺めながら「今日も頑張るぞー」とテンションをあげるひとときでもあります。とはいえ、仕込み前なのでそんなにゆったりもできません。たいてい残り物などをパパっと簡単にいただきます。そんな慌ただしい中でも誰かに見せるわけでもなく自分のためだけにお気に入りのうつわで朝ごはんをいただく理由は、うつわの力で美味しさが増すように思える、つかの間心地よい時間を過ごすことができるからです。この連載を通じて、皆さんがうつわにご興味をもつきっかけとなれば幸いです。

さて、第一回目の今回は「水曜日の朝ごはん」です。
お店の定休日は第1・3日曜、月曜、火曜なので、水曜日は営業初日。よって仕込み作業も多いため朝ごはんも少しだけ早く、またボリュームたっぷりいただきます。今回の献立は、雑穀ごはんのおむすび、茹でほうれん草、母の手製かぼちゃの煮物と鮭粕汁、残り物のキッシュ、ご近所さんからいただいた柑橘、ホットコーヒーです。


ご覧の通り、私が手がけたものはほうれん草を茹でた、冷凍ご飯をおむすびにした、柑橘の皮を剥いただけでございます・・・早速手抜きな内容でお恥ずかしい限りですが、一見ごちゃまぜなラインナップでもタナカシゲオさんのぽってりとした厚みが印象的な白いオーバル皿に盛れば、すんなりと美しくまとまります。実はシンプルな白いお皿はあまり使わないのですが、(おかずの出来栄えが一層際立ってしまう気がしており、表情豊かなお皿の方がカモフラージュになると考える派です)タナカシゲオさんのこの阿蘭陀シリーズは白無地ですけれど、ひとつひとつ形や表情が異なるため無地ですが単なる無地にはない個性があって、むしろ使いやすく登場頻度が高い一点です。


このオーバル皿の中で使っている樋山真弓さんの蝶形の縞文小皿がアクセントに。一見、可愛らし過ぎるかと思いきや、白や黒など単色のお皿と合わせると全体の印象を引き締めてくれます。中に食材を盛れば縞模様はチラ見え程度に収まり、思った以上に気にならないので名脇役としてカフェでも大活躍しています。


お椀は初めて欲しい!かっこいい!と思えた漆のうつわで、杉田明彦さんによるもの。艶が美しい漆のうつわも素敵ですが、日常で使うとなると食卓ではそのフォーマル感が浮いてしまう気がして、なかなか漆のお椀には手が出ませんでした。そんななか出会った漆の塗り跡が残る、まるで長い年月を経たかのようなマットな質感の杉田さんのお椀は、どんなうつわともマッチして懐の深さを感じます。気が遠くなるような時間と手間をかけて施された漆は欠けることなく大変丈夫なので、カフェのランチスープ用に使用しています。レンジや食洗器は使えませんが、手触りや口当たりも素晴らしく一生モノ。大切に使っていきたいうつわのひとつです。


カップは村田菜穂美さんによるToéオリジナルのレモン柄。シックなカラーが多い今回のうつわラインナップの中、この明るいレモン柄が全体コーディネートのなかで抜け感を出してくれます。店頭でもお子様向けギフトというより、大人の方がご自宅用でお求めになられているケースが多く、年齢問わず使え明るい気持ちにしてくれるアイテムのひとつです。


漆の角盆は、福島で活動されている藤原啓祐さんによるもの。あたたかみのあるカンナ跡や、大型のお皿でも十分に載せられるゆったりとしたサイズ感が使いやすく毎日活躍してくれています。



 

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Toé Crafts and Cafe

宮崎県宮崎市佐土原町下田島20565-37
TEL:0985-73-0202
定休日:月曜、火曜、第1・3日曜
https://toe-miyazaki.jp/
オンラインショップ:https://toemiyazaki.base.shop
Instagram: @toe_miyazaki

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