〜陽射しを心地よく受け止める献立〜 茂田正和さんの食べる美容 料理教室レポートvol.14【前編】

食べる美容 料理教室
2026.08.12

健やかで美しい肌を保つライフスタイルをデザインする、化粧品『OSAJI』のブランドディレクター 茂田正和さんは、プロの料理人も思わず唸るほどの料理の腕前の持ち主。著書『食べる美容』(主婦と生活社)では、季節ごとの肌悩みをケアする美容養生食を提案し、レシピ作成から調理まで担当。そんな茂田さんが自ら講師を務める料理教室が合羽橋の『釜浅商店』イベントスペースでスタート! 耳寄り情報満載のレクチャーの様子を、不定期連載にてお届けします。


 

食材と地域をテーマに、季節ごとに心身を整えるのに役立つ料理を学べる茂田さんの料理教室。今回のメイン食材はモロヘイヤ、そして地域はエジプトやサウジアラビア、イランといった中東諸国を意識。中東や北アフリカの料理にインスパイアされたモロヘイヤとチキンのカレー、スパイスを効かせたご飯、トマトと卵を使った煮込み、モロヘイヤときゅうりをヨーグルトで和えたサラダの4品をつくりました。

料理に入る前に茂田さんがお話してくれたのは、紫外線が肌に及ぼす影響と、体の内側からの防御力を上げるのに有効な栄養の工夫について。

「今日のように夏らしい強い陽射しを浴びると、やはり紫外線の美容面への影響が気になりますよね。 紫外線を浴びた肌には活性酸素が発生し、その活性酸素が肌の表面では水分を蓄えている細胞にダメージを与え、肌の奥ではハリを支えてくれているコラーゲンやエラスチンにダメージを与えることで老化はぐっと進行します。人間の見た目の老化は、大きく自然老化と光老化という2つに分けられるのですが、8割がたは光老化によって決まると言われているんです。たとえば、 40代の人と60代の人の太ももを見て年齢を当てましょうとなった時、なかなか言い当てられないんです。なぜなら、 太ももは紫外線をほとんど浴びてないので光老化が進んでおらず、老化の兆候の2割しか占めていない自然老化しか表れていないパーツだから差が出にくいんです。 対して、顔や手の甲というのは紫外線をしっかり浴びているパーツで、8割の光老化が明確に表れやすいため年齢差も感じ取りやすいんです」


光老化の影響を少しでも減らすには、日焼け止めを塗る、帽子や日傘など物理的な紫外線対策と並行して、食べ物で内側からの対策を取ることがおすすめ。今回のテーマのひとつである中東の土地の大半は、日中の気温が50度にも届くような太陽が燦々と降り注ぐ砂漠地帯。そういった過酷な地域で食べられているものには、ちゃんと紫外線のダメージから体を守る栄養素が多く含まれているのだそう。

「今日のテーマ食材であるモロヘイヤは中東地域でよく食べられている野菜で、ベータカロテンやビタミンC、ビタミンEなど、活性酸素によるダメージ対策に欠かせない抗酸化成分がたっぷり詰まっています。ただ日本だと、モロヘイヤっておひたしにする以外にはどうやって食べたらいいんだろうっていう方が多いのではないかな、と思ったんです。そこで今日は、中東風のカレーやサラダなどちょっと目先を変えたレシピを持ち帰っていただけたらと思います」

 

徹底的に抗酸化“モロヘイヤの中東式カレー”


モロヘイヤは、体内でビタミンAに変わり、皮膚や粘膜を健やかに保つベータカロテンがほうれん草の約2倍、そのほか抗酸化作用のあるビタミンCやビタミンE、代謝を助けるビタミンB2、食物繊維やカルシウムなども豊富に含まれています。



骨付き鶏もも肉に、塩、コリアンダーパウダーとクミンパウダーを満遍なくまぶして馴染ませ、フライパンにオリーブオイルをひいて中火で片面5分ずつを目安に両面を焼く。両面に焼き色がついたら油をフライパンにしっかり落として取り出し、みじん切りにしたニンニクを加えて鶏の油でこんがり炒める。



ニンニクを炒め終わったら鶏肉を戻して水を加え、沸騰したらアクを取り、弱火にして約10分煮込む。10分経ったら鶏肉を取り出し、バットにあげてアルミホイルをかぶせて余熱を入れる。


鶏を煮込んだスープにモロヘイヤと塩麹を加え、弱火のまま5分ほど煮込んでとろみを出す。5分経ったら火を止めて、また食べる直前に温める。


フライパンにオリーブオイルをひき、バットに上げておいた鶏肉を戻して中火で皮目がカリッとするまで焼き直す。スパイスご飯が炊けたら、焼き上げた鶏肉を添えてモロヘイヤのスープをかけていただく。

「鶏出汁にスパイスが溶け込んだモロヘイヤのスープは、中東にはない調味料ですが塩麹を入れることでさらに風味豊かな仕上がりになります。塩味をつけつつ、旨みを深めることができる日本の優秀な調味料はカレーの味付けにも活用できます」

 

酸化と糖化を防ぐ“スパイスご飯”


「夏バテの体の倦怠感に働きかけてくれるスパイスの中でも、中東ではクミンがよく使われます。クミンはカレーの香りの中心になるスパイスで、嗅いでみるとわかると思うのですがじわじわとお腹が空いてくるような、食欲を促したい時に良い香りです。 モロヘイヤカレーに合わせるスパイスご飯は、このクミンと同じく健胃効果があるといわれる生姜、シナモンを合わせて炊きます」


ご飯を炊くのに使ったのは、茂田さんがプロデュースしているセラミックコーティングのアルミ鍋「HEGE」。熱伝導率が高いので水分の飛びが早く、カレーにぴったりなぱらりとしたご飯が炊けます。


鍋に太白ごま油をひいて中火で温め、スライスした生姜、クミン、シナモンスティック入れる。焦がさないように香りが立つまで炒めたら、研いだ米と十六穀米を加えて全体に油がなじんでツヤが出るまで炒める。水と塩麹を混ぜたら木蓋をのせて沸騰するまでは中火、沸騰後は弱火にして10分炊き、10分経ったら火を止めて10分蒸らして完成。


ご飯を蒸らしている10分間を利用して、チキンの皮目をカリッと焼き上げたり、モロヘイヤカレーを温め直し、食べるタイミングで温度感が揃えるとパーフェクト。さらに、味変用にと茂田さんが事前に仕込んでいたというガーリックオイルをかけて食べるといっそう美味!

「ガーリックオイルは、太白ごま油に香りを移すようにクミンシードとニンニクのみじん切りを低温で炒めてつくりました。沈んでるニンニクとクミンも一緒にかけると、カレーの味わいにちょっとパンチが出ますし、サラダなどにちょいがけしても美味しいのでぜひお家でつくってみてください」


後編では、夏野菜のビタミンを堪能できる副菜、太陽の恵みトマトの“シャクシューカ”、潤いで満たす“モロヘイヤときゅうりのヨーグルトサラダ”の調理の様子をお伝えします。

→【後編】へ続きます

photo:小松原英介 text:石塚久美子

 

『食べる美容』


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Profile

茂田正和

Masakazu Shigeta

音楽業界での技術職を経て、2001年より化粧品開発者の道へ。04年より曽祖父が創業したメッキ加工メーカー日東電化工業ヘルスケア事業として多数の化粧品ブランドを手がける。17年、スキンケアライフスタイルブランド「OSAJI」を創立しブランドディレクターに就任。21年、OSAJIの新店舗としてホームフレグランス調香専門店「kako-家香-」、22年にはOSAJI初となるレストラン「enso」をプロデュース。23年、日東電化工業の技術を活かしたテーブルウエアブランド「HEGE」を仕掛ける。同年10月、株式会社OSAJI 代表取締役CEOに就任。26年、茂田個人のプロジェクトである一棟貸しの宿泊施設「しらかば荘」を群馬県・猿ヶ京温泉に、OSAJIの複合型グローバルコンセプトストア「お匙 京都」を京都・御所南に開業。同年、日本固有の美意識をルーツとしたフレグランスブランド「soca」を発表。
著書に『食べる美容』(主婦と生活社)、『42歳になったらやめる美容、はじめる美容』(宝島社)があり、美容の原点である食にフォーカスした料理教室やフードイベントなども開催している。

Instagram : @masakazushigeta
https://shigetanoreizouko.com/

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