大豆の風味が濃厚になる!「絶品人肌やっこ」
浜内千波さん「浜内千波 調理の新常識」よりVol.4
夏らしい日が続いていますね。すでに夏バテ気味の人や、暑さでキッチンに立つのも辛いという人も多いのではないでしょうか? そんな中、せっかく作った料理が実は、栄養がほとんど抜けてしまっているとしたら? 手間を省いて、もっと美味しく作れるとしたら? ちょっとびっくりしてしまいますよね。
今回、ご登場いただくのは、テレビ番組やCM、雑誌でも活躍中の料理研究家・浜内千波さん。メーカーへのレシピ提供や商品開発、さらに受講3年待ちという人気の料理教室を主宰しています。
40年にわたり、家庭料理を研究してきた浜内さんが提案してくれたのは、いままで常識と思われてきた調理の工程を覆した〝新常識〟です。
「私はもともと研究することが大好きで、当たり前とされてきたことが、本当のところどうなのかしら、と思い始めたらじっとしていられず、徹底的に調べてみたり、実験を繰り返してみたり……。そうするうちに、調理科学の進歩や流通している食材の変化から、いままで常識と思われてきたことにも、誤りがあることがわかってきました。そして、常識にとらわれていたら、体にいいもの、美味しいものを捨てることになってしまうことに気づきました。といっても、難しい工程はひとつもありません。むしろ手間が省けることばかり。ぜひ、日々の食事作りにお役立てください。」
4日目の今日は、豆腐にまつわる新常識です。
冷ややっこは人肌がおいしい!
冷ややっこはキンキンに冷やして食べるのが一番! なんて思っていませんか? 実は豆腐は、あまり冷たくするより、人肌くらいの温度がおいしいんです。
というのは、舌がうまみを感じる温度帯はおよそ35~70度だから。冷ややっこも食べるちょっと前に冷蔵庫から出して、常温に戻しておくくらいが、口の中でふわっと大豆の甘みが広がる、一番おいしい温度になるというわけ。
豆腐は、パックから出したら、器に盛る前にさっと水にくぐらせるのもお約束。にがりなどの雑味が溶け出た水を洗い流すことで、豆腐本来の味がしっかり味わえますよ!
絶品人肌やっこ
【材料 (2人分)】
絹豆腐…1丁
長ねぎ・削り節・しょうゆ…各適量
【作り方】
1 豆腐は水洗いし、塩少々(分量外)を加えた水につけて30分~1時間ほどおいて常温に戻す。
2 半分に切って器に盛り、水けをきり、小口切りにした長ねぎと削り節をのせ、しょうゆをかける。
特集最終日の明日は、薬味の王様・ごまの新常識です。ごまといえば、栄養豊富な食品として一般的ですが……!?
どうぞお楽しみに!
PHOTO:廣瀬靖士
Profile
浜内千波(料理研究家)
ファミリークッキングスクールを主宰。 和風から洋風・中華・エスニック・お菓子までこなすアイデア豊富な料理研究家。特に、基本を押さえつつ、料理をもっと手軽においしく作るワザには定評がある。雑誌や書籍のほか、講演、企業のメニュー開発などで多忙の日々。著書に『二菜ごはん』『生クリームだからおいしい! ふんわり、しっとりケーキ』(ともに主婦と生活社)、『朝に効くスープ 夜に効くスープ』(日本文芸社)など多数。
http://www.chinamisan.com/
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