隠し包丁も入れた “輪切り” の大根に味がしみて美味!「ポトフ」
中村奈津子さん『きちんと切ると料理はもっとおいしい』より vol.3
50年以上続く銀座の料理教室「田中伶子クッキングスクール」から、教室の人気講座を書籍化した新刊が9月1日発売になりました。
書名は、『きちんと切ると料理はもっとおいいしい』。包丁使いや味つけの基礎テクニックと、繰り返し作りたいと生徒から大好評のレシピを集めた本です。
「素材を生かした切り方をすれば、料理は3割増しでおいしくなります」。そう力説するのが、同スクールの校長で著者の中村奈津子先生。
せん切り、細切り、輪切り、斜め切り…など、日々の料理で頻繁に登場する切り方も、「正しく切ることで、味がよくなるだけでなく、美しく、食べやすい仕上がりになりますよ」。
今週は、この本から「5つの基本の切り方と、それを使う定番レシピ」をご紹介していきます。
「輪切り」とは…
大根やにんじん、なす、きゅうり、ねぎなど長いものの形を生かして、端から切る方法。
丸い切り口が特徴です。厚さは料理に応じて。
では、大根を使って、輪切りの手順をご紹介します。
①根元を切り落とす。葉は栄養分を奪うので買ってきたら葉と根元はすぐに落としておくとよい。
③大根の皮は厚めにむく。切り口を見て繊維の詰まり方に差があるところを目安にする。
生徒のおすすめ
じっくり煮込んだ牛バラ肉や野菜もおいしいですが、おすすめはスープ
具材からいいだしが出ておいしいんですよ(26歳・女性)
ポトフ
【材料(作りやすい分量)】
牛バラかたまり肉 300g
ベーコン(かたまり) 100g
大根 12cm
にんじん 1/2本
キャベツ 1/4個
小玉ねぎ 6個
洋風スープ 5カップ
ローリエ 3枚
塩 適量
こしょう 少々
粒マスタード 適量
【作り方】
1 牛肉は4等分に切り、塩小さじ1を全体にまぶしてジッパー式保存袋などに入れ、冷蔵庫に一晩おく。
2 ベーコンは4cm幅に切る。大根は2cm厚さの輪切りにし(上記参照)、面取りして隠し包丁を入れる(下記参照)。にんじんは4cm長さに切って、縦3等分に切り、面取りする。キャベツは芯をつけたまま4等分のくし形切りにする。
3 大きめの鍋に1、2と小玉ねぎを入れ、洋風スープ、ローリエを加えて強火にかける。煮立ったら弱めの中火にし、アクを除きながら煮る。柔らかくなったものから取り出し、すべて柔らかくなるまで煮る。
4 すべての具材を鍋に戻し入れ、塩少々、こしょうで味を調えてひと煮立ちさせ、煮汁とともに器に盛る。粒マスタードを添える。
ポイント:大根は裏面に隠し包丁を。煮汁をよくしみ込ませ、早く煮上がるようにします
大根は輪切り(上記参照)にし、厚みの1/3から半分くらいまで十字に切り目を入れる。
この切れ目を入れることを隠し包丁という。盛りつけるときは切り目を入れた面を下にする。
photo:公文美和
Profile
中村奈津子
料理研究家。田中伶子クッキングスクール校長。創業者・田中伶子さんの長女。一般社団法人 銀座クッキングスクール協会代表理事。NPO日本食育インストラクター1級。わかりやすいレッスン、素材選びの確かさ、繰り返し作りたくなる味、盛りつけの繊細さに定評がある。日本女子大学食物学科卒業後、ニューヨークのニュースクール、フィレンツェのラ・フォールアカデミーで学び、香港駐在中には中華料理も習得。食に関する国際的な知識と経験が豊富で、料理教室運営のほか、企業への食関連の商品開発アドバイスや、テレビ番組のグルメコーナーでも活躍。著書に『ミックスサラダ』(主婦と生活社)がある。
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