角田真秀さんの「切り干し大根と桜えびの塩和え」レシピ
角田真秀さんの「お店の料理と競わない、シンプルな家庭料理」vol.3
~ 塩・こしょうやだし汁は必須ではありません。 ~
「料理に使う道具や材料は少なければ少ないほどよい」というのが料理研究家・角田真秀さんのモットー。その考えは塩・こしょうやだし汁といった、基本中の基本の材料にまで及びます。本当に必要なのか、とりあえず安心だからと入れていないか、考え抜いたうえでレシピを作っているのは、少しでも家庭の負担を減らすためです。大好評の新刊『フライパンひとつで作る炒めもの、煮もの、蒸し焼き』『片手鍋ひとつで作る炒め煮、マリネ、スープ』(主婦と生活社)より、レシピを紹介しつつお送りします。
実家が飲食店だったにも関わらず、わたしが料理を日常的に作るようになったのは、結婚して何年かたってからのことでした。学生のころにも本や教科書を読んで作ってみようと挑戦してみたのですが、なんとなく難しく思えてしまい、習慣にはなりませんでした。
料理の腕を磨くより前に、使い勝手の良い調味料に出会い、それらをシンプルに活かす料理が自分には合っているように思えました。だしは贅沢にとって新鮮なうちに使うのは良いのですが、だしをとることが呪縛のようになってしまうのは本末転倒です。
わたしはケータリングのお仕事もさせていただいているのですが、評判がよいのはシンプルなメニューです。たとえば青菜をゆでて、ほんの少ししょうゆをなじませるようなお浸しや、塩もみをして、酢と少しの砂糖で和えたものなどなど。迷いながら調味料を重ねて作ったものよりも、潔くシンプルに作るもののほうが、お客様から喜んでいただけるとは、意外な発見でした。なにをするにもなるべく難しくしない、迷ったらよりシンプルな方法を選ぶことが、普段の生活を気楽にしてくれるように思っています。
今回ご紹介するのは「切り干し大根と桜えびの塩和え」。桜えびは炒めると香ばしくなって、それ自体が調味料のような役割を果たします。あとはほんの少しの塩とごま油があれば十分。切り干し大根は軽くもどし、コリコリとした食感を楽しみます。塩もみした玉ねぎやきゅうりを加えてもおいしいでしょう。
切り干し大根と桜えびの塩和え
【材料(2人分)】
切り干し大根(乾燥) 30g
桜えび 5g
塩 小さじ1/2
ごま油 大さじ1と1/2
【作り方】
1 切り干し大根は水で硬めにもどし(2〜3分)、食べやすい長さに切る。
2 鍋にごま油と塩を入れて弱めの中火で熱し、桜えびを加えて炒める。カリッとしたら火を止め、切り干し大根を加えて混ぜる。
撮影:三木麻奈 スタイリング:佐々木カナコ
Profile
角田真秀(すみだ・まほ)
料理研究家。東京・九段下で飲食店を営む父母の元に育ち、販売業、カフェ勤務、実家での修業を経て、フードユニット「すみや」を夫とともにスタート。ケータリングや企業向けのレシピ監修、料理教室の講師などを手がけながら、雑誌や書籍で活躍中。簡単で力強く、それでいて酢や柑橘果汁を巧みに使ってさわやかに仕上げた料理が、幅広い層から支持を得ている。著書に『フライパンひとつで作る炒めもの、煮もの、蒸し焼き』、『小さな片手鍋ひとつで作る炒め煮、マリネ、スープ』(ともに主婦と生活社)、『基本調味料で作る毎日の献立とおかず』(マイナビ出版)。
http://sumiya-nikki.blogspot.jp
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