【金子敦子さん連載】vol.5 高尾山にのぼろう!【後編】

金子敦子さんの大人のソトアソビ。
2021.08.18

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前編に続き、後編では、金子さんが10年前に登山を始めたときに何度も登ったという高尾山に、登山歴16年のライター・増田と登ります。豊かな自然と絶景に、おいしいもの。新宿から約1時間、東京一有名な山の魅力を再発見する1日になりました!

高尾山(標高599m)/稲荷山コース
難易度☆☆☆★★


集合場所は、京王線の高尾山口駅。6年前にリニューアルされた駅舎は、建築家の隈研吾さんがデザイン。杉の木で作られた大きな屋根が目をひきます。
「おはよう〜! いい天気!」と金子さんがさわやかに登場。最高気温33度、今日も暑くなりそうです。



改札を出て右手に進み、5分ほど歩くと、高尾山のふもとに到着。高尾山には全部で9つのコースがありますが、登りは金子さんの定番コース、「稲荷山コース」を歩きます。ケーブルカーの清滝駅の左の道を進むと、あ、登山口が見えてきました。目印は、この看板。
「ひとりで登っていたころは、ここで準備体操をしながら、『私の登山はここから始まる!』なんて、大げさに決意した記憶があります(笑)」と金子さん。


元は林業用だったという道は、全長3.1km、歩行時間約90分。ふもとから中腹までは階段や急な登り坂で、高尾山ではいちばんハードといわれているコースです。ただ少しハードな分、休日でも混み合うことが少ないのがいいところ。


階段を上るとすぐ、コース名の由来となった旭稲荷神社がありました。お稲荷さんにごあいさつ。


その先は、木の根っこがむき出しになっていたり、岩がゴツゴツしている道が続きます。「稲荷山コース」は舗装されていない山道で、足場がよくない場所も多いので、高尾山といえども、登山靴などの滑りにくい靴で行くのがおすすめ。


スタートから40分。展望台とあずま屋についたので、休憩タイムです。「階段はつかれるね〜」「暑い~、汗が止まらない」と言いながら、みんなで水分補給。展望台からは八王子市街や新宿のビル群が望めます。スーッと涼しい風も吹いて、ほっとひと息。



休憩で元気を取り戻して出発〜! 展望台から山頂までは、割となだらかな道が続きます。「道幅も広くて歩きやすいのもいいね」
スギやヒノキ、コナラなどの木々に囲まれて歩いていると、日々のモヤモヤもパーッと吹き飛んで行くような気がします。


さあ、ここからは稲荷山コース名物(?)、200段の階段のスタートです。階段の道が苦手な私、増田ががっくりしていると、「これを登ったら頂上だからがんばろう〜!」。金子さん、余裕の笑顔。ちなみに今回、写真と動画を登山チーム3名全員で撮影しているので、金子さんもスタビライザーを手にしています。



ようやく登りきって、山頂に到着! まぶしすぎて目が開きません……。
山頂は広場のようになっていて、お花見や紅葉の時期は特ににぎわいますが、今日は人が少なめ。「大見晴台からは富士山や丹沢の山々、江ノ島などが見渡せますよ〜」。冬は空気が澄んでいるので、遠くの山までよく見えるそう。




茶屋が3軒あるので、昼食は茶屋で。大見晴台からすぐの曙亭に入ることに。名物はとろろそば。「曙亭」のそばは食べごたえのある太麺です。右からざるそば、とろろそば、山菜そば。のどがカラカラだったので、なつかしのラムネも飲みました。




暑さでバテていたので、下山はリフトに乗ることに。そんな気楽さも、高尾山のいいところ。リフトの山上駅を目指します。
駅に向かう途中に高尾山薬王院が。境内には願叶輪潜(ねがいかなうわくぐり)という石造りの大きな輪があります。願いごとを念じながら輪をくぐり、その先にある大錫杖(だいしゃくじょう)を鳴らして、さらなる所願成就を祈ります。


願叶輪潜のそばにある、金子さんいち押しの力ソフト(ぶどう酢のソフトクリーム)のお店は、今日はお休みでした。残念!

代わりと言っては何ですが、山上駅の手前にある「高尾山スミカ」で三福だんごと抹茶ソフトを食べることに。三福だんごの名前は「大福」「幸福」「裕福」から。「炭火で焼いたおだんごに、くるみみそをからめた甘じょっぱい味。おじさんとおしゃべりしながら焼けるのを待つのも楽しい時間です。腹持ちもいいから、山のおやつにぴったり!」。天狗焼やチーズタルトも有名だそう。


リフトに乗ったら、ふもとまでは約12分とあっという間。自然を肌で感じられるし、高低差237mなので意外とスリルもあって、きっと誰もが思わず童心に帰ってしまうはず。

「いろんな山に登るようになってからは、高尾山はもういいかな? と思っていましたが、今回登ってみて、やっぱり高尾山はいいな〜! と改めて感じました。新宿から電車一本で本格的登山気分を味わえる。お茶屋さんもトイレも、リフトやケーブルカーもあるし、買い食いおやつもよりどりみどり。何もない山もいいけど、何でもある山も楽しい!」と金子さん。

「稲荷山コース」ではなくても、普段着でも登れるといわれる「1号路」や川沿いを歩ける「6号路」など、その日の天気や体力、気分によってコースが選べるし、つかれたらリフトやケーブルカーに乗って下りられるので初心者にも安心です。




駅までの道すがら、気になる建物を見つけたので立ち寄ってみました。今年7月17日にオープンしたばかりの「タカオネ」です。体験を通して楽しみを提供する“活動ホテル”で、宿泊はもちろん、1階にはカフェ&ダイニングや500円で利用可能なシャワールームのほか、アウトドアウエアや地元の作家が手がけたグッズを販売している売店も。


「スイス発のシューズブランド『On』のトレイルランニングシューズが無料でレンタルできるのもうれしいですね」


何と、中庭には焚き火を楽しめるスペースが。15時以降、800円で焚火セットを購入すれば誰でも使えるのでアフター登山のお楽しみも広がります。(混んでいるときは宿泊者優先になります)


「タカオネ」を出ると、もう目の前が高尾山口駅です。改札口のすぐ横に、日帰り天然温泉「極楽湯」があるので、汗を流してから帰路についても。
「気が向いたら、またふらっとひとりで来たい!」と、高尾山に慣れ親しんだ金子さんも大満足でした。


text:増田綾子


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タカオネ

東京都八王子市高尾町2264
https://takaone.jp/hotel/

Profile

金子敦子

Atsuko Kaneko

主婦。夫と娘との3人暮らし。看護師を経て日々の着こなしを自撮りで紹介するブログ『命短し恋せよ乙女★50代の毎日コーデ』をスタート。「あっこたん」の愛称で親しまれる人気ブロガーに。著書に『新 大人の普段着』(主婦と生活社)『お母さん、その服なんとかしよ!毒舌ムスメのファッションチェック』(飛鳥新社)がある。
Instagram:@55akotan

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