香川編vol.4 コーヒーを片手にお気に入りの本を開くゆったりとした時間を「BOOK MARUTE(ブック マルテ)」~「暮らしの設計室」福岡美穂さん
地元おしゃれさんが自分の住む街の、とっておきのお店を案内してくれる連載「地元のおしゃれさんが案内する小さな旅」企画。12月は香川編です。 ナビゲーターは、愛媛にある建築設計事務所に勤務する福岡美穂さん。仕事柄、“空間”の捉え方にこだわりあり! 前回の愛媛編につづき、この香川編でも、訪れるだけでも心地いい・気分の上がる素敵なお店をご紹介してくれます。
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photo&text:福岡美穂
こんにちは、福岡美穂です。香川編の最後は、私のお気に入りスポット、北浜アリーの中の1店をご紹介します。
北浜アリーはJR高松駅のすぐ近くにある港の倉庫や空き家を改装した商業施設。おしゃれな若者達だけでなく観光客にも人気のおでかけスポットです。倉庫街の独特な雰囲気の中、センスの光るインテリアショップやカフェなどが立ち並んでいます。
今回は、その中の「BOOK MARUTE(ブック マルテ)」さんを訪れました。
所狭しと置かれた本の数々。写真集やアートブックなど、一般書店ではあまり見かけない本が並んでいます。東京やWEBでしか買えない本を実際に手に取って見てほしい、という思いから本を扱うようになったとか。私の著書『四国の美しい店』の写真を撮影してくれたGABOMIさんの写真集『ことでん仏生山工場』も置かれていました。
元々は古道具屋だったというこちらのお店。その名残が、いたるところに感じられます。
並んでいる本はどの装丁も個性があり、中身が気になります。ふと目についたのが、中川正子氏の写真集『IMMIGRANTS』。美しい水の青、ほんの少し波打った動きのある写真に心惹かれました。
スタッフの佐藤友理さんも東京で働いていたころに出会った中川正子氏の写真のファンなのだそう。ちょうど、隣にある「MARUTE GALLERY」で個展が開かれていると聞いて、そちらにもお邪魔しました。
個展を見てから写真集を見ると、また違った感想が生まれます。ギャラリーとリンクした本がすぐに見られるのも嬉しいですね。ブックカフェなのでコーヒー片手にゆっくりと読むこともできます。
年季の入ったカウンターテーブル。実は、昔のビリヤード台だったのだとか。その証拠に、触れた際に少しひんやりしました。窓の向こうには穏やかな瀬戸内海が広がります。素敵な本においしいコーヒー、そしてほんの少し香る潮風が長居させます。
「本はさまざまな世界への窓口。本屋をなくしちゃったら何も始まらない」と佐藤さん。本を開くだけで違う空間に飛んで行けたり、違う自分に会えたり。生活に彩りと豊かさを与えてくれるます。忙しい毎日に、少しでも本と向き合う時間を作ろうと私もあらためて思いました。
「MARUTE GALLERY」では2017年1月13日から24日まで、菊地和歌子氏の写真展「echo」が開催されます。宮城県出身の菊地さんが撮る雪景色をぜひ見に出かけませんか?
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