【金子敦子さん連載】vol.10 山に花を見に行こう!【前編】

金子敦子さんの大人のソトアソビ。
2023.04.27


山登りの楽しさってなんだろう?

頂上なんて目指さなくていいのです。
自然のなかで深呼吸するだけ、
ただ歩くだけ。
そのなんと豊かなこと!
さあ、山へ行こう!


金子敦子さんとともにお届けする連載、「大人のソトアソビ。」。今回は山に春を告げる花として知られるカタクリの花を見に、関東の名峰、筑波山へ。金子さんは初めて、増田は気づけば今回で4回目。
男体山と女体山のふたつの峰からなる筑波山は、ふもとから山頂までケーブルカーやロープウェイで行くことができるので、お散歩がてら訪れる地元の方も多数。日本百名山の中では標高が低く、コースを選べば比較的登りやすいので、季節を問わず、登山者にも人気の山です。


 

筑波山(標高876m)
難易度☆★★★★

本日の行程

7:50 つくばエクスプレスつくば駅集合

8:00 筑波山シャトルバス つくばセンターバス停

8:50 つつじヶ丘バス停着

10:00 つつじヶ丘バス停

10:10 筑波山神社前バス停着

10:40 ケーブルカー宮脇駅

10:48 ケーブルカー筑波山頂駅
   カタクリの里など、周辺を散策
12:30 昼食

13:40 ケーブルカー筑波山頂駅

13:48 ケーブルカー宮脇駅
↓徒歩
14:10 筑波山神社入口バス停
↓バス
14:50 つくばセンターバス停
14:55
↓バス
15:03 手代木団地バス停着

15:15 ブラックボードつくば店
↓バス
16:30 Twin Peaks Mountain
↓徒歩
つくば駅

 


本日の集合場所は、つくばエクスプレスのつくば駅。秋葉原駅始発の区間快速で1時間弱、終点がつくば駅です。集合した瞬間、「お天気が心配だね」と金子さん。今回はこの連載ではめずらしく、雨で一度延期になったうえ、今日も夜に向けてお天気が崩れる予報。でもこの日を逃すと花の見頃が過ぎてしまいそうなので、やむなく決行しました。少し不安もありますが、気合いを入れていつものポーズです。


つくば駅から筑波山まではバスで向かいます。筑波山シャトルバスの1番バス乗り場から乗車し、終点のつつじヶ丘を目指します。筑波山を登るコースはいくつかありますが、今回は初心者でも登りやすい「おたつ石コース」を選択。つつじヶ丘は「おたつ石コース」のスタート地点です。


ここでお得情報を。電車で筑波山に行くなら、「筑波山あるキップ」(秋葉原駅で購入の場合は3360円)を購入するのがおすすめ。つくばエクスプレスの駅の自動券売機で買える「筑波山あるキップ」は、これ1枚で電車やバスに乗ることができます。券売機の近くに置いてあるパンフレットにはわかりやすい登山マップが載っているので、こちらもぜひ入手して。


バスに揺られて50分、「つつじヶ丘」バス停に到着。バスの窓から見えた曇り空からだいたい想像はついていましたが、やはり空は厚い雲に覆われ、風はビュービュー。頂上付近は霧で真っ白! ここから歩く予定でしたが、さすがにむずかしそう……。
「ひえ〜寒いね。登る? どうする?」と金子さん。「このお天気で山歩きは危険ですね」。次第に小雨も降り出して、もう笑うしかない状況です。


何と、強風の影響でロープウェイも運休とのこと。ケーブルカーは運行していると聞き、先ほど通り過ぎた、ケーブルカーの駅からすぐの「筑波山神社入口」バス停まで戻ることに。
そんな私たちの横を、一緒にバスに乗っていた熟練登山者の女性たちが通り過ぎて行きました。「悪天候だけど、歩くよー!」。残念ですが、私たちは安全第一です……!




次のバスが来るまで1時間あるので、歩く予定だった「おたつ石コース」を少しだけ歩くことに。中腹にあるガマ大明神の脇にツツジが咲いていました。



まだ時間があるので、「つつじヶ丘レストハウス」で筑波山名物「幸福だんご」をいただきます。炭火で焼いたお団子の上にはくるみみそだれがたっぷり。「あつあつ、甘辛くておいしい!」。これで気持ちがだいぶ回復しました(笑)。



「筑波山神社入口」バス停に到着。大きな鳥居をくぐり、10分ほど歩くと筑波山神社です。「どうか少しでも晴れますように!」




宮脇駅からケーブルカーに乗ります。車両は赤い「もみじ」と緑の「わかば」の2台があり、今日乗るのは「わかば」。チケットには筑波山の四季折々の風景が。


歩くと、どのコースでも頂上まで1〜2時間ほどかかりますが、ケーブルカーなら8分。高低差495mをゆっくり移動するので、美しい自然を間近に見ながらのんびり楽しむことができます。




筑波山頂駅に到着! 駅を出てすぐの御幸ヶ原には食堂や売店が立ち並び、いつもなら大勢の人でにぎわっていますが、今日はほぼ人がいません。



気を取り直して、歩いてすぐの女体山頂付近にある「カタクリの里」へ。ここは広さ約2ヘクタールのカタクリの群生地で、毎年3月下旬〜4月中旬に開催している「筑波山頂カタクリの花まつり」の間だけ開放されています(今年は終了)。

歩き始めてすぐに、足元に薄紫色の可憐な花が。ほかの花よりひと足早く咲き始めるカタクリは“スプリングエフェメラル”(春の妖精)と呼ばれています。筑波山に咲くのは数少ない野生のカタクリで、霧に埋もれる様子はまさに妖精のよう。発芽してから花を咲かせるまで10年ほどかかると知って、その姿がより美しく見えました。ただこの日は雨で気温が低かったので、晴れた日はパッと開いて上向きに開く花がすぼまっていたのが残念。
余談ですが、現在はじゃがいもからつくられる片栗粉ですが、以前はこのカタクリの根を元につくられていました。


「カタクリの花を見るのは生まれてはじめて。開いてるのも見たかったけど、雨に濡れている様子もきれいだね〜」



ほかにも、スミレ、カタクリの後に咲くニリンソウのつぼみなどを見ることができました。




続いては、5分ほど歩いて男体山頂付近の自然研究路へ。1.5kmほどあり、歩くと1時間ほどかかる散策路です。女体山頂とは打って変わって風がおさまり、おだやかな気候の中、ブナ林の中に咲くカタクリの花を楽しむことができました。女は大荒れ、男はおだやか……。「同じ山なのに不思議なことに別世界。霧に包まれた森は、しっとりとして幻想的!」



ここではスノーフレークやハナニラの花も咲いていて、姿は見られなかったけれど、かわいい鳥の声も。「ウグイスやヤマガラなど、鳥たちのさえずりに心が安らぎました」

後編へ続きます!


text:増田綾子
photo:黒川ひろみ

 

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Profile

金子敦子

Atsuko Kaneko

主婦。夫と娘との3人暮らし。看護師を経て日々の着こなしを自撮りで紹介するブログ『命短し恋せよ乙女★50代の毎日コーデ』をスタート。「あっこたん」の愛称で親しまれる人気ブロガーに。著書に『新 大人の普段着』(主婦と生活社)『お母さん、その服なんとかしよ!毒舌ムスメのファッションチェック』(飛鳥新社)がある。
Instagram:@55akotan

肩の力を抜いた自然体な暮らしや着こなし、ちょっぴり気分が上がるお店や場所、ナチュラルでオーガニックな食やボディケアなど、日々、心地よく暮らすための話をお届けします。このサイトは『ナチュリラ』『大人になったら着たい服』『暮らしのおへそ』の雑誌、ムックを制作する編集部が運営しています。

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