【ただいまハワイ#04】ハワイと日本の架け橋。ロコガール・サーシャに教えてもらったこと

暮らすように旅する Travel Hawaii
2023.12.05



元気で明るいロコガール、サーシャ。ハワイ好きならご存知の方も多いかと思います。日本で開催されたハワイフェアで再会を喜びあったのち、またハワイで会おうと約束してから数か月。ハワイ行きが決まり連絡してみたところ久しぶりに会えることになり、なんと今回、自身が幼い頃に遊び、学んだところへ連れて行ってくれたのです。


サーシャは、幼い頃からハワイと日本を行ったり来たりしてハワイの文化を学び、自然と身につけてきたロコガール。中学を卒業する頃には完全にハワイに拠点を移し、ノースショアのローカルハイスクールに通い、ますますハワイモードを色濃くしてきました。その後は、リーワードコミュニティカレッジへ進み、好きだったアートを学びます。


現在は、ハワイのイベントや機内誌での連載、BS12の人気番組「ハワイに恋して」のメイン出演者として、タレント、レポーター、アーティスト、ジャーナリストなど、さまざまな方向からハワイと日本をつなぐ役割を果たしています。

2020年からは「サーシャのサポートハワイ」と称し、コロナ渦で打撃を受けたハワイのアーティストや小さなローカルビジネスのサポートも開始。当時、自身も収入がなくなっていたにもかかわらず、アーティストたちの商品を買い取って販売したり、日本語での対応のお手伝いをしたりしてきたと聞きました。そんな彼女に、日本のハワイ好きの皆さんが癒されたことは言うまでもありません。かくいう私もそのひとり、でした。そしてますます彼女の活動が気になったというわけなんです。

 


 

ナ メア クポノ



最初に連れて行ってくれたのは、ワイアルアにある「ナ メア クポノ」というラーニングセンター。タロの農場や養蜂をしながら、オアフ島の学校の学習遠足の場としても開放しているところでした。


ここを運営するタロファーマーでウクレレメーカーのスティーブンさんとクムフラ(フラの先生)のフェリスご夫婦に、サーシャーは小学校の頃からハワイの古代のときの人々の考え方、暮らしぶりを教わり、体験、学んできたのだそう。


ここのフィッシュポンドにいる小さな魚は、体の悪い部分を吸ってくれるそうで、手を入れるとこうして人懐っこく寄ってきてくれるんですが、これがくすぐったくて大変! 古代の人々はこうしてこの池に身を浸し、痛みを取り去ってきたと教えてくれました。

 


 

ウクレレ作り


また、ここ数年で小さなウクレレショップが次々と閉店してしまったこともあり、ここではそれらを集合させ、ウクレレ作りや、作り方のレッスンなども不定期で開催。昔からノースショアのほうではウクレレは自分で作るという慣習があったのだそうで、そういった考えや慣わしを継承していくためでもあると伺いました。


資材はホテルなどで使われてきたコアの木を修繕の際に引き取り、その木を捨てることなく再生する方法でほぼ賄っているとのこと。ここでのすべての支払いはドネーションというスタイルで成り立っているそうで、そこも昔ながらのハワイの考え方に自然と沿うようになったのだとか。


ちなみにウクレレに刻まれているのは絶滅危惧種をデザインしたもの。このウクレレのワークショップや販売などは時々、ビショップミュージアムでも行われているそうですよ。

 


 

懐かしのハワイアンフード


最後にサーシャが私に食べさせたいものがあると言って見せてくれたのは、クロロ! クロロとはタロイモを蒸してココナッツ、ブラウンシュガーと合わせたお餅のような食感が特徴的な昔ながらのハワイアンフード。


ローカルスーパーでも売っていますが、ここのは格別だとサーシャが目を見開いて言うので、味見させていただいてびっくり。もちもちの食感は今まで知っていたものとは違いやさしく、やわらか。口に入れるととろりととろける感じに驚きました。


それもそのはず、タロイモをティーリーフに包んで12時間蒸すという伝統的な作り方! それをペースト状にしてからココナッツミルクとブラウンシュガーを加えて形にする手間暇かけたクロロは、タロイモのお芋らしい味わいとココナッツミルクのコク、ブラウンシュガーのやさしい甘みが混じり合って、なんともいえないおいしさ。クロロは、それだけで食べるというより、アイスクリームと合わせたりすることが多かったのですが、このままそのものを味わうほうがおいしい! と思った体験でした。


そのクロロが、アイエアエリアにあるお店「Ryder's Poke & Shave Ice」で食べられるとのことで行ってきました。ここではアイスクリームの下に温かいクロロが入っているデザートとしていただけます。他でもよく見かけるスタイルですが、やはりここのおいしさは格別!


また、このお店のポキは、店主自身が釣ってきたものを中心に仕込んでいるので、フレッシュな味わい。オープンと同時にすでにローカルたちの長い行列ができていたのも納得でした。

 


 

古き良きハワイ

さて、話を戻します。サーシャに連れて行ってもらった場所と人、ものには、私が好きな古き良きハワイが今も息づいていました。新しいものや流行りのものも悪くはないけれど、自分が何を求めてこの地へ旅に出るのかも再確認できた時間だったなぁと、楽しい時間をプレゼントしてくれたサーシャ家族にあらためて感謝しました。


アメリカ人のお父さん、日本人のお母さんをご両親に持つサーシャだからこそ、双方をつなぎ、互いに手を取り合うことを自然に進めてこられたのだなと、ハワイで過ごす彼女の無邪気な笑顔にふれ、実感。



最後は、サーシャと弟のココくんが子どもの頃から大好きだというタコス屋さんでランチ。


ハワイを伝える彼らの愛の深さと、本当の意味でのハワイを思う重みを感じた日になりました。3年半ぶりのハワイでそんな時間を過ごせたことに胸熱。ありがとう、サーシャ、ココくん、そして偉大なるサーシャのお母さん!

 

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Profile

赤澤かおり

Kaori Akazawa

料理と旅、暮らしまわりのことを中心に執筆・編集を行う。ハワイ渡航歴150回以上。『THIS IS GUIDE BOOK IN HAWAII』『Travel Hawaii』(ともに主婦と生活社)、『Hawaii note ハワイ手帖』(KADOKAWA)などハワイにまつわる著書多数。最新刊は『人生にはいつも料理本があった』(筑摩書房)。
Instagram「@kaoriakazawa.akalohasunny

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