金沢編vol.1 凛とした美しい日本の植物に魅了される「花 安藤」

地元のおしゃれさんが 案内する 小さな旅
2024.04.06

加賀藩前田家の城下町として栄えた金沢。戦災を免れたため歴史的な建造物や街並みが数多く残り、日本三名園のひとつの兼六園は四季折々の美しい風景が楽しめ海外からも多くの人が訪れます。
今回案内してくれるのは金沢在住でYouTubeやInstagramでご自身の暮らしを紹介されている双葉さん。「40歳になった今、訪ねたい場所」をテーマにとっておきのスポットをご紹介していただきます。

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初めまして、双葉と申します。
金沢市在住で以前は古道具と器の店を経営しておりました。
現在は暮らしにまつわることを中心に、YouTubeやInstagramにて発信をしています。
YouTube: https://www.youtube.com/@futaba-
Instagram:https://www.instagram.com/lesmoules___/


金沢へ越してきた12年前から街の景色は少しずつ変化し、より魅力的なスポットが増えたように感じます。
普段はほとんど出かけることのない私ですが、「40歳になった今、訪ねたい場所」というテーマでおすすめの場所を4回に渡りご紹介させていただきたいと思います。


立派な松の木が目を引く、町家の1階にお店を構えられている「花 安藤」さん。
彼女の作るリースが好きで以前、私のお店でも販売をさせていただいてました。ご自身のお店を開店されてからは、日本の山や野に古くから自生する植物が取り扱いの中心となりました。人にとって扱いやすく品種改良されたものではなく、例えばその花、木がある所にこちらから赴く。人が花に合わせることが本来の自然な姿であるという思いに至り、歩みを進めるほどに生け花の魅力に惹かれていったそう。

 


お店を始められてからは地道に時間をかけ、仕入れ先でもある農家さんとの繋がりが生まれていきました。常に自然とともにある農家さんからの言葉には学びが多くあるそうで、今回私もお話をお伺いして、人としてもう少し身の丈をわきまえなければいけない…と思わず襟を正して聞き入りました。

 


若い頃は華やかで花持ちの良い植物を選ぶことが多かったのですが、花 安藤さんで新たな花の世界を知り、儚いながらも凛とした力強さが感じられる日本の植物に今ではすっかり魅了されています。

 


今回、白梅を掛け花で生けていただきました。
静かに花と向き合ってみると、自生する姿がふと目に浮かび、日毎に近付く春の喜びも感じられるようでした。
生けこみや茶花の配達に出掛けていることが多いそうで、現在は事前のご予約をいただければお店を開けてくださるとのこと。季節によりますが通常、10種以上の花をご用意されているそうです。春はすみれ、キクザキイチゲ、バイモユリ、コブシなど。4月も後半になると草ものが増えて来るそう。花器の販売も予定されているということで、今後の展開がとても楽しみであります。

 


また金沢市内で開催されているイベントへの出店も行っているので、観光の方はご予定を合わせていらっしゃるとより気軽に花をお楽しみいただけると思います。小さな花束や竹筒に入った山野草が並びます。
Instagramでは四季の移ろいを感じさせる写真とともに、丁寧に紡がれた言葉からも彼女の花に対する真摯な思いが伝わってくるようです。

 


旅でいらっしゃった方へのおすすめの楽しみ方。
金沢は裏道散歩が面白い街です。数日、暮らすように滞在していただくと更に金沢の魅力が感じられると思います。その際には気に入りの小さな花生けをバッグに忍ばせて、お宿でも花を楽しんでみてください。旅の記憶を色濃く鮮明に、大切な思い出として残してくれることと思います。

 

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花 安藤(はな あんどう)

〒920-0912 石川県金沢市大手町9-10
TEL:090-4284-0711
開店時間:12時〜17時
定休日:木曜
(※ご来店の際は事前のご予約をお願い致します。)
https://www.instagram.com/hanaando_/

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