金沢編vol.2 価値観が交わり繋がりが生まれるギャラリー「hitonoto」

地元のおしゃれさんが 案内する 小さな旅
2024.04.13

加賀藩前田家の城下町として栄えた金沢。戦災を免れたため歴史的な建造物や街並みが数多く残り、日本三名園のひとつの兼六園は四季折々の美しい風景が楽しめ海外からも多くの人が訪れます。
今回案内してくれるのは金沢在住でYouTubeやInstagramでご自身の暮らしを紹介されている双葉さん。「40歳になった今、訪ねたい場所」をテーマにとっておきのスポットをご紹介していただきます。

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金沢は城下町ならではの風景や歴史ある建物、観光地としてのイメージを持たれる方が多いと思います。観光スポット巡りも良いですが、私がおすすめしたいのは暮らすように楽しむ裏道散歩です。

 


今回ご紹介をさせていただくhitonotoさんは、個性的なお店が集まる新竪町商店街を抜け、さらに奥へと進んだ幸町、菊川町エリアに位置しています。かつてはこの辺りも人通り多く栄えた商店街だったのだろうと、当時の気配をその街並みの随所から感じることが出来ます。通りへ一歩足を踏み入れると時間の流れが少しばかりスローになり、私にとっては喧騒を逃れ心癒される場所の1つであります。

 


人の音と書いてヒトノト。屋号を決めて約5年後の2023年、訪れる人たちの価値観が交わり繋がりが生まれるきっかけになれたらという思いを込めて、通りに面する立派な町家を拠点とするべくhitonotoをオープンされました。

 


国内外を問わず陶芸作家による器、アーティストによる作品、地道に蒐集されたであろう古物が心地良い間を取りながらあるべき場所にゆったりと配置されています。
取り扱いの作家は全国に渡りその選ぶ基準についてお伺いすると、まずは自分が使ってみたいと思うもの、古くなった時の姿が美しいと想像できるもの、自然と対峙されている作家が多いとも仰っていました。


お伺いした日はイギリス・ロンドンをベースに活動するアーティスト、Alexandra Yan Wongの個展が開催中。日本での展示は初というアーティストの作品が拝見できる大変貴重な機会にも恵まれました。世界を旅するhitonotoのお二人。文化のエクスチェンジが面白く興味を持っている事のひとつと仰られていて、今後は海外でのポップアップも予定されているそう。その場所でまた新たな出会いと繋がりが生まれ、金沢でご紹介をいただけることが密かな楽しみです。

 


暮らしの道具として毎日手に取り、育つ様子を楽しむことも器の醍醐味。尾形アツシさん、渡辺林平さんの作品が並ぶ。



ご主人のNikさんはフォトグラファー。能登半島地震の支援を目的としたポストカードのセットも販売されています。長きに渡り撮り続けている能登の風景。hitonotoさんのオンラインストアにて詳細をご覧いただけます。お取り扱いにご協力いただける方も募集中とのことで、気になられた方は是非ご連絡をいただけたらと思います。(contact@hitonoto.com)

次回は奈良県明日香村で制作をされているタナカシゲオさんの陶展が予定されているとのこと。我が家で使っている塩壺もタナカさんの作品。いつか作品を拝見することが出来たらと思っていたところ、このタイミングで金沢での展示。4月も良き出会いに恵まれることとなりそうです。

 

 

 

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hitonoto(ヒトノト)

〒 920-0967 石川県金沢市菊川2丁目16-15
予約制
(※営業日、営業時間はInstagramにてご確認ください。)
https://hitonoto.com
Instagram:@hitonoto_japan

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