【金子敦子さん連載】vol.13 天神山周辺で紅葉を楽しもう！【後編】

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谷川岳ロープウェイの天神平駅のすぐ脇にある「ビューテラスてんじん」。1985年、建設当時の谷川岳ロープウェイ総支配人がスイス・チロル地方の建物から着想を得て建てたのだとか。「カリモク家具」の重厚なテーブルと椅子がクラシックな内装に調和しています。「かつてのスキーブームを彷彿とさせる懐かしさがあって、落ち着く空間。谷川連峰を眺めながら、ゆっくりくつろげます」

名物は「谷川岳パングラタン」。ふわふわのパンのなかに鶏肉や野菜、ベーコンを詰め、ホワイトソースとたっぷりのチーズをかけて焼き上げたもの。「アツアツのソースとチーズ、パンの組み合わせが最高。冷えた体があたたまった〜」

帰りも行きと同じく谷川岳ロープウェイに乗り、土合口駅へ。この数時間で、紅葉が一段と進んだような気がしました。単なる気のせいかもしれませんが……。

次に目指すは、“日本一のモグラ駅”ことJR上越線の土合駅。下り線のホームが深いトンネル内にあり、駅舎との高低差は70.7mもあります。もともとは地上駅でしたが、1967年に新清水トンネルが開通して上越線が複線化したため、下り線のみ新清水トンネルを通ることになったからだそう。

「階段は降りたのを後悔するくらい、上るのがしんどかった〜！　でも、時が止まったような駅構内や462段もの階段は一見の価値ありですよ」。この駅を起点にして谷川岳に登るコースも。

低温で温度変化が少ないことから、ビールが貯蔵されていました。いったいどんな味がするのかな。ビール好きとしては気になるところです。

バスで水上駅に向かい、水上駅からは上越線で高崎駅へ。

「ベルーリア」は、山越弘世さん、友恵さんご夫妻が営むセレクトショップ。2001年に弘世さんの地元、群馬県桐生市に、2008年に高崎市に、2012年に神奈川県鎌倉市に店を開き、20周年を迎えた2021年、桐生に「ベルーリア別邸 日美日美」、2023年に京都に友人と営むショップ＆ギャラリー「北山夏椿」をオープン。
「ベルーリア 高崎」は、１階に職人がひとつひとつ作り上げる「市松」のアクセサリーや山陰の「出西窯」や「湯町窯」の器、２階には着るたびに風合いが増す「キャリコ」や「オールドマンズテイラー」、「ミッタン」などの服が並んでいます。

中でも、今のおふたりのおすすめは「モナ」の財布。数寄屋袋（茶道のお稽古や茶会などで必要な小道具を収納する袋）をイメージし、イタリアとフランスの上質な革を用いて作った、新たな「ベルーリア」のプロダクトだそう。

「インテリアも素敵だし、長く使い続けたくなるような質のいいものばかりが揃っています。おふたりのお話も楽しくて、ポジティブなパワーをいただきました。またゆっくり来たいな」と金子さん。

ビールを飲む前に、焼き菓子店「ヤマワラウ」に寄って、おみやげのマフィンを購入。
「夕方だったのでマフィンが残りわずかでしたが、チョコガナッシュやあんことくるみなどの中から、りんごとクリームチーズのマフィンを買って、自宅でいただきました。外はさっくり、中はふんわりな、とびきりおいしいマフィン。もっといっぱい買ってくればよかったー！」

今日のビールは、ビール醸造所＆酒場「シンキチ醸造所」で。「ヤマワラウ」のおとなりで、三軒長屋の真ん中にある、築80年ほどの建物です。
群馬県伊勢崎市出身の代表・堀澤宏之さんは、20年以上務めてきた日本料理の板前の経験をいかし、2016年に「シンキチ醸造所」をオープン。和食に合うビールを目指し、料理と同様に「自分が作ったビールを飲んで喜んでもらえたら」という思いで醸造を行っているそう。

金子さんはぶどうエールの「レザンブラン」、増田はシトラスエール「柚子八年」をオーダー。
「『レザンブラン』はすっきりしているけれど、ぶどうの甘さやフレッシュさが口に広がりました」と金子さん。
ゆずのビールはお店の定番で、作り始めて８年になるので「柚子八年」という名に。ゆずの風味がしっかり感じられて、個性的ながら、何度も飲みたくなるようなクセになる味わいでした。
「今日はビールだけでしたが、次は堀澤さんが好きな民藝や骨董の器に盛られた煮込みや『たまレバ』（玉ねぎ＋レバー）を食べながら、ビールや日本酒を飲みたいな」

「次回こそは体力をつけて、谷川岳の山頂を目指したいです。谷川岳ヨッホ by 星野リゾート駅からレンタサイクルで行ける、日本三大岩場のひとつ、一の倉沢にも挑戦したい！　素晴らしい絶景だそうです。高崎もまた行ってみたい街。駅の近くにある高崎市美術館と、今回、お伺いしたお店を再訪したいです」

text：増田綾子
photo：黒川ひろみ

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