ハワイの最新ファーマーズマーケット事情

暮らすように旅する Travel Hawaii
2025.04.08


Aloha、皆さん、お元気ですか? トラベル&料理・編集ライターの赤澤かおりです。すっかり春ですね〜。今週は、昨年末に1か月滞在したハワイ旅の記録を4日連続でお届けしております。2日目の本日は、最近のファーマーズマーケット事情と、そこで出合ったもののことを。


ハワイでは今から15年ほど前から、野菜や果物の市場とはちょっと違った、それらを加工したジャムやソースといったもの、その場で食べられるデリやプレートランチの販売もしているファーマーズマーケットがあちこちで開催されてきました。


ちょっとおしゃれなラベルを貼って瓶詰めにしたものも多く、カゴに無造作に入った手作りのサワードゥブレッドやバナナブレッドなどもなんだかかわいくて、当時は目についたものを何でもかんでも買っていました。



今回も、あると便利なバジルソースを発見。以前は、キッチン付きのホテルに泊まるとよくファーマーズマーケットでバジルソースを買ってパスタにしたり、チキンを焼いてソースにしたりしていました。

おそらく、こういうファーマーズマーケットの走りとなったのが、今やハワイ好きで知らない人はいないだろうと思われる「KCCファーマーズマーケット」。現地在住の友人でハワイ取材の相棒でもある内野亮さんも、当時は私が「KCCファーマーズマーケット」に行きたいと言ったら、その手前にある小さな野菜市場に向かおうとしたくらい。それほど、まだハワイではこうした流れがなかった時代から、早15年以上の現在。今、オアフ島のファーマーズマーケットがどうなっているんだろう!? との思いで、ちょっと散策に出かけてみました。



Northshore
Farmers Market


ノースショアに滞在していたとき、友人とその日の野菜と果物を買いに、「ワイアルア シュガー ミル」の奥で毎週土曜日に開催されている「ノースショア ファーマーズマーケット」へ。こちらは場所柄、観光客はほぼおらず、ローカルたちが朝の散歩のついでにやってきているような、のどかな感じ。


12〜13のブースが並ぶなごやかな会場には、花や野菜、果物もあれば、エアプランツを貝殻に入れたオブジェやアクセサリー、そして熱帯魚(!?)なども販売されていました。



箱庭的なものも。かわい~。


あちらこちらで見かけた貝殻とエアプランツを組み合わせたオブジェ。流行っているのかな〜。お土産になりそうな小さなエアプランツがあったので、ひとつ買おうと思ったけれど、まだ旅は始まったばかりということで後ろ髪引かれながらもあきらめました。



サンライズシェルなどのアクセサリーは、以前からファーマーズマーケットでよく販売されてはいたけれど、今回特に食品より雑貨的なものが多かった印象。ファーマーズマーケットの役割が移り変わってきていることを感じました。



パンの実やカラマンシーというすだちのような柑橘、マイヤーレモン、ざくろなどが並ぶ棚。



飾っておくだけでトロピカルな気分になれるジンジャーフラワー。こうしてバケツに入って売っているスタイルは昔から同じ。



もちろん、野菜もモリモリにありました。友人が夕飯のサラダ用にと、葉ものをいろいろ買ってくれました。私はというと、オリジナルにブレンドされたお茶を購入。

 



Hyatt Regency Waikiki
Farmers Market



ワイキキの人気ホテル「ハイアット リージェンシー ワイキキ ビーチ リゾート アンド スパ」内の、気持ちいい風が抜ける吹き抜けで開催されているファーマーズマーケット。これ、何年続いているんでしょうかね〜。確か大ブームだった頃から始まっているから、かれこれ12 ~13年は続いているのかな?

以前は、このすぐ近くの商業施設「キングス ビレッジ」でも夕方からファーマーズマーケットが開催されていて、ディナー前に軽くスナック代わりに買い食いしたり、小さいサイズのバナナブレッドを翌朝の朝ごはん用に買ったりもしていましたが、残念ながら「キングス ビレッジ」が取り壊される数年前くらいから開催されなくなり、さみしい限りでした。

というわけで、ワイキキ近辺のホテル滞在者としては、かなり便利なファーマーズマーケットとして定着しているのがここ。毎週月曜と水曜の夕方4時〜8時までやっているので、小腹を満たしに行くのもちょうどいいし、ディナー後の軽い散歩のときに立ち寄るのもいいのです。


フワフワのマラサダやその場で食べられるカットフルーツのほか、手作りの焼き菓子やアジアンなお総菜、サンライズシェルなどの貝殻を使ったアクセサリーなども販売されていました。月曜と水曜では出店者さんが若干違うようなので、時間があったら両日のぞいてみるといいかもしれません。



こちらの手作りのアクセサリーは、自身で海に潜って探した貝を材料にしているそう。



最近流行りのピカケの花をモチーフにしたアクセサリー。素材はマザーオブパール。



カウリィ(左側の貝殻)を使ったワイルドなスタイルのピアスも。



ナチュラルなものゆえ、それぞれに微妙に違った色を醸し出すサンライズシェル。グリーンがかっているものはムーンライズシェルと呼ばれています。



フレッシュなリリコイをソースにしてヨーグルトにかけたらおいしかった〜。



通常のバナナより、少しだけ酸味があるのはアップルバナナ。ですが、これはアップル アイスクリーム バナナ!! お味はどんなだろー!?



ローカルマンゴーを使ったアジアンスイーツ、マンゴー スティッキー ライスはデザートに!



Kakaʻako
Farmers Market

ファーマーズマーケットで雑貨的なものも見かけるようになって久しい今日このごろ。この数年で一番大きい出合いだったキョウコさんの絵を紹介したいと思います。



そもそもの出合いから話すと、とあるハワイフェアで彼女の絵を見かけたことがきっかけでした。フェアで皆が一生懸命何かを売ろうと、笑顔でお客さんに話しかけているなか、彼女は笑顔でもなく、怒っているでもない普通の顔で淡々と自分のお店の絵を整理していました。その感じが、ハワイのギャラリーのいい意味でそっけない「ご自由にどうぞ、好きに見ていって」という雰囲気にとても近い感じがして、思わず「見せてください」と言って、いくつかの絵を見せてもらったのが最初。

そのとき気に入った絵は、真っ黒な中にいろいろな色が散りばめられているものでした。ハワイをイメージして絵を描く人は今も昔もたくさんいますが、現代の絵で私が欲しいと思ったのは実は初めて。漆黒の中に灯る、さまざまな色に託されたのは、自分の内側にある希望や想い、思い出。絶やしたくない灯り。そんなふうに見えた私はその絵を購入させてもらい、今も、玄関を開けた正面に飾っています。



キョウコさんの絵から感じたのは、強くて温かな光。いわゆるハワイの風景でもない、メッセージ性の強いもの。それから私は彼女のインスタをフォローして、時々届くハワイからのメッセージと空気を心待ちにするようになりました。



キョウコさんの絵を実際に見て購入できるのは、今はカカアコのファーマーズマーケットのみ。昨年の滞在中にはカカアコを訪れ、今度は彼女が作った立体のオブジェを購入しました。それは今、お守りとして私の大事なものコーナーに鎮座しています。

なぜ、こんなにも彼女の作るものに惹かれるのかは自分でもわからないけれど、一見クールに見えて実は底抜けに明るくて、でも強くて優しいことが、絵に、作るものに滲み出ているからなのかも。滞在中、絵を見せて欲しいという私の無茶な希望に「いいですよー」と快く応えてくれて、あれこれ見せていただきました。



今回見せていただいたなかで私が一番好きだった絵。温かな色が溢れたこの絵を勝手に「Aloha」と心の中で名付けました。


部屋にたった一枚の絵があることで、ハワイの風が抜けるような心地良さを感じたのは、後にも先にも彼女の作品でのみの経験でした。それはきっとひとつひとつにそのとき彼女が放つ、ハワイからのメッセージが込められているからなのだと思います。

もしハワイ旅の途中、カカアコのファーマーズマーケットへ行く機会があったら、ぜひキョウコさんに会いに行ってみてください。お気に入りの一枚を探す中に、自分にぴったりのメッセージが潜んでいるかもしれませんよ。

 


波のパワーを感じる、ブルーとピンクの作品。



最新作の天使の羽。人の内面と外面を示しているようなブルーとピンクの2枚は、キョウコさんの絵によくみるスタイルです。

 

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Waialua Farmers Market
67-106 Kealohanui St., Waialua
8:30〜13:00(毎週土曜)
※「ワイアルア シュガー ミル」内

 

Hyatt Regency Waikiki Farmers Market
2424 Kalakaua Ave., Honolulu 
TEL:808-923-1234
16:00〜20:00(毎週月曜、水曜)
※1F吹き抜けにて

 

Kakaʻako Farmers Market
919 Ala Moana Blvd., Honolulu
8:00〜12:00(毎週土曜)
Instagram(キョウコさん):@messagehealingart

 

Profile

赤澤かおり

Kaori Akazawa

料理と旅、暮らしまわりのことを中心に執筆・編集を行う。ハワイ渡航歴150回以上。『THIS IS GUIDE BOOK IN HAWAII』『Travel Hawaii』(ともに主婦と生活社)、『Hawaii note ハワイ手帖』(KADOKAWA)などハワイにまつわる著書多数。近著に『人生にはいつも料理本があった』(筑摩書房)、編著に『いざ、豊島屋』(KADOKAWA)がある。
Instagram「@kaoriakazawa.akalohasunny

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