倉敷編vol.4 レンタサイクルで出かけたい「三宅商店 酒津 水辺のカフェ」
~建築士・仁科美穂子さん~
地方在住のおしゃれさんに、地元のとっておきの場所を月替わりで案内していただく週末連載「地元のおしゃれさんが案内する小さな旅」。岡山県倉敷在住の建築士・仁科美穂子さんに案内していただいた「倉敷編」も今日で最終回です。ぜひ、「岡山編」とともに、初夏の旅の計画にお役立てくださいね。
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最終回の今日は、倉敷の中心地から少し離れたところにある酒津(さかず)という街のカフェをご紹介します。
倉敷の田畑を潤している配水池のある酒津。いくつもの用水と大きな樹木、桜並木があり、倉敷に暮らす人々の憩いの場として親しまれています。倉敷の中心地から倉敷川沿いを自転車でこぐこと約20分。ちょうど良いサイクリングコースなので、私もよく週末にリフレッシュしに出かけています。
桜並木の終着点、八ヶ郷用水のカーブに沿って建っている古い建物が「三宅商店 酒津 水辺のカフェ」。空き家だった家を改修し、散歩やサイクリングをしている方のご近所カフェとして2010年にオープンしました。
ゆるやかに流れる用水とともに店内もゆったりした時間が流れ、桜並木と庭の緑に挟まれた店内はまるで公園の中にいるような気分になります。
「季節に暮らしを合わせる」というコンセプトのお店には、クーラーはなく、開け放った窓から入る風が気持ち良い。夏はうちわを扇ぎながらかき氷。そんな懐かしくも居心地のいい雰囲気は、世代を超えて愛されているようです。
ぶどう、桃、無花果……フルーツ王国でもある岡山。季節ごとに県内の契約農家さんから届く果物を使ったスイーツや、自家製のパンで作ったサンドイッチなど、訪れる度にメニューが変わっているので四季折々、楽しめます。
この日のケーキセットは「塩バニラとレモンのチーズケーキ」。塩とレモンの酸味が、チーズとほどよくミックスされて美味。
フルーツをふんだんに使った上下2層のジャムは、見た目も綺麗でお土産にとても喜ばれます。
満開の桜の時期も美しいですが、新緑の頃、蛍の飛び交う夏の夜、枝のシルエットが綺麗な冬、どの季節に訪れても、ここ酒津はまるでヨーロッパの公園にいるかのような、大らかで静かな空気が漂っています。
また、ここから徒歩3分ほどのところに建つ旧家「旧原田邸」が、「水辺のカフェ」店主の改修により、菓子工房へと生まれ変わりました。
地元の食材にこだわったお菓子やジャムがここで作られ、日本中へ旅立っているようです。地域の産物のdeparture(出発点)が、用水の起点である酒津という場所から発信されていることは、とても意味深いことだと感じています。「旧原田邸」は、今はイベント時のみ開放されていますが、ゆくゆくはここでも寛げるようになる予定とか……。楽しみです。
倉敷駅前にはレンタサイクルもありますので、倉敷美観地区から少し足をのばして酒津へ。水と緑にあふれる街で、のんびりゆったりお散歩日和を過ごしてみてください。
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岡山県倉敷市酒津2829
TEL:086-435-0046
営業時間:3~11月……9:00~17:30(土日7:00~17:30)/12~2月……9:00~17:00(8:00~17:30)
http://www.miyakeshouten-sakazu.com
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