十和田(青森)編vol.1 月の半分だけ営業する“積読”がテーマの新刊書店「TSUNDOKU BOOKS(ツンドクブックス)」
青森県十和田市は青く澄んだ湖面が美しい「十和田湖」や国の特別名勝および天然記念物に指定されている「奥入瀬渓流」などの雄大な自然に加え、「アートを通した新しい体験を提供する開かれた施設」をコンセプトに開館した十和田市現代美術館を中心に、通りにもアートが溶け込み個性溢れる「アートのまち」としても知られています。
編集者の長嶺李砂さんが2024年に十和田市の商店街にオープンした本屋「TSUNDOKU BOOKS」は毎月1日から15日までの月の半分だけオープンするユニークな本屋として注目を浴びています。そんな長嶺さんに徒歩で周れるコースを教えていただきましたので、ゆっくりと街を散策してみてくださいね。
photo&text:長嶺李砂
青森県十和田市の商店街で本屋「TSUNDOKU BOOKS(ツンドクブックス)」を営む長嶺李砂(ながみねりさ)です。生まれも育ちも、ここ青森県十和田市。高校卒業後に上京し、思いきり働いていましたが、いろいろなタイミングが重なり、2度目のハタチ直前に「本屋」として地元に戻ってきました。

TSUNDOKU BOOKSは、毎月1日から15日までだけ開く本屋です。月の前半は、土日祝日も休まず営業。後半はすべて定休日です。営業時間は15時から21時までなので、午前中に開くことはありません。
少し変わった営業スタイルには理由があります。ひとつは、編集者としての仕事を並行していること。月の後半にまとまった時間を確保し、取材や執筆にあてています。もうひとつは、本棚づくりにじっくり向き合うためです。

棚の陳列は、できるだけ毎月変えるようにしています。
「今月の特集はこれ」「来月のおすすめはこの本」というように、季節や時事にあわせ、まるで雑誌を編集するように棚を組み直します。本って、並べ方ひとつで印象が大きく変わるんですよ。表紙を見せるか、背表紙を並べるか、隣にどんな本を置くか。それぞれ、手に取られ方がまったく違ってきます。

わたしは、積読完全肯定派。
そんな想いを店名には込めています。読みたい本がたくさんあるということは、それだけ未来の楽しみが積み重なっているということ。幸せなことだと思っているのです。
ですので、仕入れるのは「いつか自分の蔵書になったらうれしい!」と思える本だけ。エッセイ、料理、デザイン、短歌、文芸書など、ジャンルはさまざまです。多少、偏ってしまうのも覚悟の上で、一冊一冊、気合を入れて注文しています。

そうそう。営業を月の半分にしている理由は、仕事のためだけではありませんでした。旅に出かけることも、わたしにとって大切な時間。まとまった時間がなければ、旅に出かけることができないからです。
特に海外では、観光地をめぐるよりも、暮らすように滞在するのが好きです。本屋を訪ね、カフェに立ち寄り、スーパーで食材を調達して自炊をし、ときどき、まちで愛されるレストランで少しぜいたくをする。ホテルではなく、ふつうの家のような宿に泊まり、その土地の日常を味わうだけで、自分にとっては非日常の体験ができるのです。そんな旅を重ねるうちに、「十和田にも、暮らすように滞在できる場所があったらいいかも!」と思うようになりました。
そこで、本屋の2階は宿泊施設にしました。名前は「TINY HOTEL COZY(タイニーホテルコージー)」、クイーンベッドのある寝室がふたつ、小さなリビングとキッチン、シャワーを完備しています。現在はAirbnbのみで予約受付中です。

十和田は、ほんとうに“ちょうどいいまち”。十和田湖や奥入瀬渓流の大自然もすばらしいけれど、今回は少し視点を変えて「日常」の「非日常」をおすすめできたら、と思っています。車やバスではなく、歩くスピードで出会える「まちなか」のスポットと、このまちならではのカルチャーを、あと3回にわたってご紹介します。vol.2へ。
青森県十和田市稲生町14-52
営業時間:15:00〜21:00(チェックインも同じ)
定休日:16日〜月末
https://tsundoku-books.com/
Instagram:@tsundoku_twd / @cozy_twd
MAP:A
日本、〒034-0011 青森県十和田市稲生町14−52
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