大分編vol.3【ご当地ヌードル・前編】日田焼きそばは「みくま飯店」で!
~コーディネーター・工藤まやさん~
“安くて美味しい”から愛される。それは普通な気がします。愛されているから、“安くて美味しい”を続けていく。そんな気持ちが通じるお店を2軒。美味しい大分の麺をみなさまに食べていただきたいなあ。
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昔ながらの街並みが残り、観光地としても人気の日田(ひた)。ご当地グルメとして、TV番組「秘密のケンミンSHOW」で取り上げられて以来、日田焼きそばの人気がうなぎ上り。地元サラリーマンの定番ランチだった小さなお店に、1時間、2時間という行列ができた日もあるのだから、TVの影響力はすごいなあと思う。そしていまだに週末ともなれば県外からの来客も多く、その美味しさに誰もが虜になってしまうのだと、素朴ながら力強い日田焼きそばの底力を見せつけられる。
蒸し麺ではなく、生麺を使用し、具材はもやし、豚肉、ネギ。鉄板の上に勢いよく具材を入れたら、炒めるのではなく、空中に舞うように焼きあげる。
時折、じゃっとかじゅっとか、美味しい効果音が響く小さな店内で、周りを見渡し、もう食べている人いいなあ~と愁い、何分か後の自分を想像して口元ほころび、よだれが出そうになってしまう始末。ランチタイムにはスープが先にサービスで出てくるけれど、私はまず一口目を「日田焼きそば」オンリーにしたいので、ぐっと我慢するという試練にのぞむ。
気持ちは万全、どんっと目の前に置かれた日田焼きそばの、B級ながら堂々たる姿。太めの麺は焦げる寸前で見事に仕上げられているので、もちもちとパリパリのダブル食感でテンポよくすすむ。からまるソースは旨味重視で甘さと辛さがハーフ&ハーフ。
テーブルに置かれた刻み生姜を合いの手にはさみながら、フイニッシュを決めるのに、要する時間はたったの10分。友人と行っていても、美味しい! の目配せだけで会話もなく、この一皿に集中するのが暗黙の了解のようになっている。それでも私なんて遅いほうで、地元の方は5分くらいでささっと食べ終えて、さらりと出て行く後ろ姿のかっこいいことよ。
日田市内にはいくつもある日田焼きそばの名店。どこも美味しいけれど、私はここ。いまは3代目の息子さんとお父さんで頑張っている40年の歴史を持つ名店です。
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大分県日田市隈1-5-21
TEL:0973-22-7261
営業時間:11:00-23:30
不定休
やきそば650円、大盛やきそば800円
Profile
工藤まや
大分出身。ハワイ在住で、TVやラジオ、雑誌などで幅広く活躍するコーディネーター。インスタグラム「@mayahawaii325」から生まれたハワイのガイドブック『Hawaii Days 365』(扶桑社)が好評。
肩の力を抜いた自然体な暮らしや着こなし、ちょっぴり気分が上がるお店や場所、ナチュラルでオーガニックな食やボディケアなど、日々、心地よく暮らすための話をお届けします。このサイトは『ナチュリラ』『大人になったら着たい服』『暮らしのおへそ』の雑誌、ムックを制作する編集部が運営しています。