大分編vol.5【カフェ・前編】湯布院で静かにゆるむ「茶房 天井棧敷」

～コーディネーター・工藤まやさん～

ハワイ在住で、数々のＴＶや雑誌のコーディネートを手掛け、著名人からの信頼も厚い工藤まやさん。大分出身ということもあり、帰国のたびに別府や湯布院、日田などを訪れ、温泉やおいしいものに癒されているそう。そのお気に入りスポットの中には、この夏の集中豪雨で被害にあったところもありますが、すでに復興しお客さんを受け入れているところも多く、少しでも大分を応援できれば！ という思いから、この連載「地元のおしゃれさんが案内する小さな旅」で大好きな大分を紹介してくれることになりました。９月の立ち寄り湯＆ご当地ヌードルに続き、11月はカフェ＆宿＆秘境を中心に案内してもらいますので、ぜひ旅計画の参考にしてくださいね。

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時間がかぎられた旅でも、お茶する時間は削らない。湯布院ではカフェ、別府では売店がおすすめ。上手く時間を使って窮屈をなくす、それにはドリンクとスイーツがいい感じでフィットする。お風呂でほっ、お茶でほっ。のんびりが似合うところですからね。

現在では不動の人気を誇る由布院温泉では、宿泊した旅館でくつろぐもよし、湯の坪街道をひやかしてお土産を買うもよし、でもここだけはどうか一度訪れてほしい。温泉が流れ込み、湖底からは清泉が湧き出ている美しい金鱗湖畔にある「茶房 天井棧敷」。

名旅館・亀の井別荘が経営するこのカフェでは、温泉を観光だけでなく、文化に育てることで生まれた独特の優雅な空気を感じ、旅の高揚感をじっくりと味わうことができる。

造り酒屋を移築したという建物は、梁が大きく突き出し、屋根裏部屋みたいにずっとここにこもっていたいと思う。だからといって閉塞感はなく、格子窓からは目の高さに美しい緑が広々とのぞめる。

豊後富士とも呼ばれる由布岳を模したクリームチーズのデザート「モン・ユフ」と、美味しいコーヒーを頼めばもう完璧。

ＢＧＭのグレゴリオ聖歌がうすくかかる店内は、自分だけの空間のように思え、時を忘れ自由なカフェタイムに身を任せ、のんびりと過ごす。持てそうで持てない素敵カフェでのゆるゆるタイム。こんな時間を過ごしたかったんだ、私！ と気づいたときには、この場所の大ファンになっているんです。

湯布院って本当に素敵でいいところだった、という私の友人たちの大半は、ここでの不思議とゆる～い時間のことを後から何度も思い返すという。旅って思い出の中に生きてどんどん大きく育っていくものだと思いません？ 小さな温泉町•湯布院が有名になったように。

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