京都編 vol,16 茶釜のお湯でコーヒーを。愛らしい洋菓子店「菓子・茶房チェカ」

地元のおしゃれさんが 案内する 小さな旅
2017.10.28

京都在住ライター・大橋知沙さん

 

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photo&text:大橋知沙

 

 

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京都・岡崎の洋菓子店「菓子・茶房チェカ」のティラミスを初めて見た時、その愛らしさに釘付けになりました。ドーナツのようにまぁるい形に、ミルク色とダークブラウンのコントラスト。見慣れたティラミスの姿とは少し違いますが、ひと口いただけば、ティラミスの構成要素を押さえつつもチェカらしいアクセントが加えられた味わいに、ますます虜になります。

 

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京都市動物園のちょうど裏手に佇むこちらの店は、ティラミス(480円)をはじめ、その場でクリームを詰めてくれるシュークリーム(180円)や、季節のフルーツを使ったフレッシュなケーキ、丁寧に素材を選んだ焼菓子なども並びます。

 

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パティシエの内田誠司(うちだ・せいじ)さんが作るお菓子は、定番の洋菓子にデザインや素材使いで遊び心を加えたもの。先ほどのティラミスは、トップのホワイトチョコレートと、周囲にぐるりとちりばめられたカカオニブのほろ苦さが絶妙なハーモニーを奏でます。馴染みのあるスイーツが、ちょっと新鮮でワンランク上の味わいになるアレンジに、リピーターが多いのもうなずけます。

 

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菓子・茶房の名の通り、1階ではさまざまなスイーツが販売され、2階の茶房ではショーケースから選んだケーキをいただけます。階段を上がると、シンプルな内装に見晴らしの良い窓、ところどころに置かれた古い家具や道具たちが趣き深い空間をつくりだしています。

 

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とりわけ、訪れた人が目を奪われるのが、茶の湯で使われる本格的な茶釜のしつらえ。コーヒーや抹茶をはじめ、ドリンク類はすべてこの茶釜で沸かしたお湯が使われているのだそう。鉄製のためお湯の味がまろやかに仕上がり、中には白湯を注文するお客さまもいるとか。茶釜からお湯を汲みとりコーヒーを淹れる、誠司さんのパートナー・美代さんの美しい所作にもうっとりと見入ってしまいます。

 

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ケーキやコーヒーの器は、誠司さんの兄であり陶芸家の内田鋼一さんの作品。シンプルなスイーツを上品に引き立てながら、しっくりと手に馴染む使い心地に、作家ものの器の懐の深さを感じることができます。

 

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岡崎エリアは、平安神宮や琵琶湖疏水、美術館に動物園など、美しい景観にアート&カルチャーが溶け込んだ街。街歩きのひと休み、茶釜のお湯で淹れたコーヒーとともに愛らしいスイーツを味わえば、ちょっと特別なカフェ時間を過ごせそうです。

 

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菓子・茶房 チェカ

MAP:

京都市左京区岡崎法勝寺町25

TEL:075-771-6776

10:00〜19:00(商品がなくなり次第終了)

月曜・火曜定休

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