滋賀編vol.2 香り高い老舗の看板商品はカフェインレスで赤ちゃんにも安心「中川誠盛堂茶舗」
~「神保真珠商店」杉山知子さん~
photo&text:杉山 知子
滋賀編、2回目の今日は私の店と同じ通りにある「中川誠盛堂茶舗」を紹介します。
私が週に何度も訪れてしまう中川誠盛堂茶舗は、かつて東海道五十三次最大の宿場町であった大津の中心部に位置します。安政5年創業の歴史あるお店で、東海道を往来した旅人にお茶を売ったのが店の始まりだそうです。
お店の周辺はいつもお茶の良い香りが漂っていて、ついつい立ち止まってしまいます。香りの正体は看板商品の「近江赤ちゃん番茶」。
中川誠盛堂茶舗の赤ちゃん番茶は、冬に刈り取った葉を蒸し、揉まずに乾燥させた後、自家製の釜で炒るという独特の製法です。茶葉がそのままの形状で残っていて、初めて見たときはとても驚きました。
赤ちゃん番茶は、水出しするとカフェインやタンニンがほとんど出ないので、赤ちゃんやご高齢の方にもおすすめです。癖がなく、とてもスッキリとした口当たりなので、私も水筒に入れて持ち歩くほど愛飲しています。
店に入ってまず目を引くのは、壁にずらりと並んだ黒い茶缶。京都の開花堂の初代が作られたそうです。
鰻の寝床と呼ばれる伝統的な家屋は奥行が深く、店の奥には中庭と蔵を見る事ができます。
私が中川誠盛堂茶舗の虜になったきっかけは、店主の武さんが選ばれた近江のシングルオリジン茶です。
一般的なお茶はブレンドされていますが、武さんは生産者の想いを大切にされており、産地、品種、そして生産者の名前をパッケージに記載されています。
茶葉の個性を最大限に味わう事ができるシングルオリジン茶、一度飲んだらすっかりはまってしまいました。
お茶だけではなく、茶道具も充実しています。お手頃な価格のものから、なかなか手に入れる事が出来ない銘品など、こちらも武さんの目利きで素晴らしいものがショーケースに並んでいます。滋賀のお茶にぴったりな信楽焼の茶器も人気で、いつも品薄です。
赤ちゃん番茶は新茶の時期を迎えました。今年の緑茶は早いそうで、ゴールデンウィーク過ぎ(ちょうど今頃ですね!)には仕上がるそう。是非お気に入りのお茶を探しに、中川誠盛堂茶舗を訪れてみてください。
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