滋賀編vol.8 お餅が見えないほど!きなこたっぷり老舗の味「三井寺力餅」
~「神保真珠商店」杉山知子さん~
photo&text:杉山 知子
今回は大津のみならず滋賀のお土産の定番、大津名物「三井寺力餅」をご紹介します。
三井寺力餅本家がある通りは、大津と京都を行き来する四両編成の電車が路面を走る、大津の観光名所のひとつです。
大津にはたくさん美味しい和菓子屋さんがあり、いくつも贔屓にしているお店がありますが、大津のお土産は?と聞かれると「三井寺力餅」と悩まず答えるほど、幼少の頃からこのお餅の大ファンです。きっと同じ思いの方も多いのではないでしょうか。
三井寺力餅はとてもシンプルで、もち粉、砂糖、水飴、きなこ(大豆・青大豆・抹茶)のみで作られており、保存料などの添加物が一切入っていません。
職人さんがひとつひとつ手で丸めた小餅を串に刺し、木箱に並べます。「保存料が入っていないから、この木箱じゃないとお餅がべたついてしまうんです」と店主の滋野さん。明治二年の創業以来の「味、香り、彩り」と「手作りの粋」を守り続けておられます。
本店では注文が入ってからお餅に蜜をかけ、きなこをまぶしてくださいます。
店の奥にはお庭が望めるお部屋があり、お茶と一緒にできたてをいただく事ができます。
お持ち帰り用には、お餅が見えなくなるほど、きなこを入れてくださいます。このきなこの量も人気の理由のひとつで、初めての方は驚かれるほど。私は残ったきなこをアイスクリームにかけて食べるのがお気に入りです。本数も3本から70本まで対応してくださるこまやかさ。
日持ちがしないという、お土産としては少々難しい特徴もあるのですが、このこだわりこそが「三井寺力餅」の魅力。朝早くからのお客様のためにと、年中無休で朝7時から営業されています。急な出張時に地元のお菓子を持って行く事ができる事、その美味しさと珍しさに喜んでもらえる事。私は数えきれないほど「三井寺力餅」にピンチを救ってもらっています。
大津のいろんな場所で販売されている人気商品ですが、ぜひできたての美味しさをお店で味わってみてくださいね。
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