京都編 vol.21 アートや古着を楽しむように。ミックス感覚が楽しい古道具店「Soil(ソイル)」

地元のおしゃれさんが 案内する 小さな旅
2019.02.02

京都在住ライター・大橋知沙さん

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photo&text:大橋知沙

 

北欧ヴィンテージのテーブルウエアの間に、プラスチックの立体パズルやブリキの飛行機。方眼紙のような赤いグラフチェックのトレイにリンクする、レトロな赤いエナメル縁のフルーツグラス。さまざまな時代、さまざまな素材、リッチとチープを行き来するような、不思議なミックス感覚がクセになる古道具店。それが、東山にある「Soil(ソイル)」です。

 

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店主の仲平誠さんが買い付けから店番まで一人で担当し営むこの店は、彼の自室のコレクションを見せてもらっているような、気取りなくもウィットに富んだ空間。雑貨感覚で「かわいい」と手に取れるアイテムが並ぶ一方で、古道具好きからは「この色と素材はリンクさせてディスプレイしたんでしょう?」と一目置かれるセンスが魅力です。

 

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買い付けは、北欧をメインに、フランスやドイツなどヨーロッパの国をどこか1カ国プラスして出かけるのが「Soil(ソイル)」のスタイル。すべて北欧テイストで統一するのではなく、その時の気分でシックに、トラッドに、モダンに……とヨーロッパの国々や時代性が持つ個性を取り入れます。その感覚はまるで、古着のファッションを楽しむかのよう。仲平さん自身、学生時代からファッションでも日用品でも古いものが好きで、買い集めた古着や古物を骨董市で販売していたと言います。

 

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「フリマや市でいろいろなブースを回って、自分の感性に引っかかったものを集めていい感じに並べる。セレクトして僕なりの雰囲気で編集してみせるというやり方は、そのときに身についた気がします」と仲平さん。アンティークの外商に携わる会社で経験を積んだのち、2009年に「Soil(ソイル)」をオープン。じわじわと評判が広がり、今では仲平さんが買い付けから帰国するのを待ちわびて来店するお客様も増えました。

 

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「みんな、自分が生きていなかった時代や国のものやからこそ惹かれるんやと思います。かといって全く未知の物体ではなく、デザインだったり発想だったり、どこかに理解できるところがある。そういう共感が潜んだおもしろいものを見つけて、お客さんにも気づいてもらえたら嬉しいです」

 

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今、仲平さんが気になるのはクリーム色のもの。プラスチックだったり、ホーローだったり、少し前の電化製品だったりとアイテムはさまざま。まろやかな色がインテリアやテーブルに取り入れやすく、古道具というよりはちょっとレトロでチープな風貌が心くすぐります。「自分の中の“気分”をとても大事にしていて。洋服と同じで、その時々で惹かれるものが違ってくるのは自然なこと。古いものの中でも定番で人気があるものよりも、今の自分が『これが好きやな』と思う感覚に素直でいたいと思っています」と仲平さんは話します。

 

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市場で価値が約束されているようなヴィンテージやアンティークの品ではなく、自身のアンテナにかかったものを、一番に「これが好き」と言う。そんな、仲平さんの率直で直感的なセンスに触れられるのが「Soil(ソイル)」の魅力。「人と同じ」が嫌いなあまのじゃくな店主も、訪れた人から「私もこれ、好きです!」と共感してもらえることは、何よりの幸せなのです。

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Soil(ソイル)

MAP:
京都市左京区北門前町476-1
TEL:090-2357-0574
12:00〜19:00
水・木曜定休+不定休(仕入れ時)
http://soil-kyoto.com

 

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