京都編 vol.24 上質なライフスタイルを体験するように過ごす、新しい町家ステイ「四季十楽」

地元のおしゃれさんが 案内する 小さな旅
2019.02.23

京都在住ライター・大橋知沙さん

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text:大橋知沙

 

 

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photo:Yuna Yagi

 

築100年近い京町家に滞在しながら、現代日本で活躍する多才なクリエイターの表現にふれる。そんな古さと新しさを併せ持つ京都の「今」を、肌で感じられる町屋ステイが「四季十楽」です。10棟が連なる長屋の町家は、それぞれが独立し、滞在中まるでここに暮らしているかのように過ごせる一棟貸しのシステム。それでいて、扉を開けるたび、朝を迎えるたびに出合うクリエイティビティあふれたもてなしは、日常にはない特別感を味わえます。

 

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photo:Yuna Yagi

 

クリエイティブディレクター後藤繁雄氏のキュレーションのもと、「四季十楽」の空間や味覚を彩るのは、京都はもちろん日本の各分野で活躍する作り手たち。例えば、朝食は料理家・冷水希三子さんが考案する季節のレシピで。各部屋の花のしつらえは、山野草を用いた独創的ないけこみを行う「みたて」西山隼人さんが。和モダンの空間に、北欧やエスニック、手仕事のテイストを織り交ぜた上質なインテリアは「Roundabout(ランダバウト)」小林和人さんが。そのほか、建築や造園、飾られたアートや本棚にいたるまで数々のクリエイターが携わり、ここで過ごす時間を豊かに演出します。

 

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photo:Yuna Yagi

 

フロントにチェックインすると、ウェルカムドリンクとして出てくるのは、「Uf-fu(ウーフ)」のハーブティーと「菓子屋ここのつ」が手がけた「季節の最中」。限られた店や予約制の茶寮でしかいただけない作り手の菓子とあって、これを楽しみに宿泊される人もいるほどです。この日は、上品な甘さの餡に干し柿、バターを挟んだもの。素材そのものの甘み引き立つ餡に、バターの塩気とコクが口の中でほどけて……。甘美なおもてなしに、これだけで心潤す旅のスタートになりそうです。

 

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photo:Yuna Yagi

 

世界的に活躍する建築家・田根剛氏がデザインしたサロンは、朝食やバーとして宿泊客が利用できる共有スペース。町家一棟貸しの場合、スタッフが常駐しないケースも多いですが、フロントやカフェに滞在中の疑問点や周辺の案内を尋ねられるスタッフがいるのも安心なポイントです。

 

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photo:Taisuke Koyama

 

部屋の広さやインテリアの雰囲気は一棟一棟異なり、床の間のしつらえを楽しめる1号室、コンパクトで手頃な価格帯が魅力の2号室、吹き抜けの空間が心地よい5号室、などさまざま。町家の構造を生かしつつも、ベッドやソファといった現代のライフスタイルに合った家具と清潔な水周りで、快適な滞在をおくることができます。京都に暮らす私も「こんなところで旅の日々を過ごせたら」と、旅行客の方がうらやましくなるほど!

 

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photo:Taisuke Koyama

 

「京都には、街じゅうに新旧問わず素晴らしい場所やアートがあります。だからここではあえて京都に限定せず、広い視野で日本のすぐれたクリエイターの感性を編集しています。ここで過ごす時間を楽しんでもらいながら、お客様を京都という街へ送り出す拠点になれたら」。スタッフの皆さんはそう話します。

 

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photo:Chisa Ohashi

 

雑誌やSNSで、「こんな空間で過ごしてみたい」「あの作り手の味を体験してみたい」と憧れていたこと。四季十楽には、そんなふうに一冊のライフスタイル誌を読み解き、そこに登場する上質な暮らしを体験するような時間があります。旅先の風景や料理、訪れたい店に心躍らせるのと同じように、宿に帰ることも楽しみでたまらなくなったら、その旅は忘れられない思い出になりそうです。

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四季十楽

MAP:
京都市上京区油小路通下立売上ル近衛町165
TEL:075-417-0210
チェックイン15:00、チェックアウト11:00
http://shikijuraku.com

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