徳島編vol.14　日々に癒しとときめきを与えてくれる、カフェと暮らしのショップ『櫻茶屋』

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text & photo ： 森香菜子（KIGIPRESS/utanotane）

ゆったりと美味しいものを食べること、心ときめくものと出会うこと、日常からふっと離れて過ごす、こうした時間こそが、日々に豊かさを与えてくれるのだろうなと思います。

1996年に開業した『櫻茶屋』。ごはんを食べに行ったり、友人とお茶やスイーツを楽しんだり、コーヒーを飲みながら一人で考え事したり……と、美味しい食事と一緒にさまざまな時間を過ごせるカフェです。2011年には隣接している駐車場2階スペースにレンタルギャラリーをオープン。そして今年、2019年の初夏に店内の一部を改装してショップスペースが誕生。美味しい食事だけでなく、素敵なものとの出会いも与えてくれる"カフェと暮らしのショップ”としてリニューアルオープンしました。

もともと、オーナーの吉田千枝子さんが『まだむ吉田』という屋号で提供していた丁寧な手作り弁当が人気となり、「居心地の良い空間でごはんを楽しんでもらえたら」と、店舗を構えたのがはじまり。いつも新しいことに挑戦し、楽しんでいる千枝子さんの姿に元気をもらえる場所でもあります。

リニューアル後、新たに設けられたショップスペースには、食品や日用品のほかに、器やアクセサリー、洋服などが並んでいます。千枝子さんの娘さんである鈴木真由美さんがメインになってセレクトしています。「自分たちが好きなもの、ちょっとアート性を感じるようなおもしろい作品を選んでいます」と、真由美さんは話します。

質感や表情がおもしろい、他ではあまり見られないような器たち。そっと置いておくだけでも存在感を醸してくれそうです。アクセサリーやオブジェなど、どのアイテムもその佇まいやフォルムが個性豊かで、見ているとワクワクしてくるものばかり。

内庭だった場所を改装して、小さな書店スペースができました。食のこと、ものづくりのことなど、セレクトされた書籍が並びます。

あちらこちらに飾られた千枝子さん私物の絵画やオブジェ、植物などの装飾を観るのも訪れる楽しみのひとつ。店内の装飾はたびたび模様替えされていて、こんな細かなところにもおもてなしの気持ちが伝わってきます。上の写真で壁にかけられている香川県在住の山口一郎さんの作品は購入もできます。

今回お話を聞いて改めて驚いたのは「手作り」へのこだわりの数々！ コーヒーは自家焙煎、他にもパンはもちろん、餡やドレッシングなどほとんどのものを自分たちで手作りしています。
例えば、こちらのローストした阿波牛がのった『櫻カレー』。牛骨からスープをとることからはじまり、野菜やスパイスをたっぷりと煮込んで裏ごししながら数日かけてルーを完成させるのだそう。食後に付くアイスももちろん手作りです。

スイーツメニューも人気の『櫻茶屋』。濃厚でスッと口の中で溶けていくカタラーナは癖になります。時季になると登場する苺パフェやマンゴーパフェも毎年待ちわびる人が多い人気メニュー。冬には苺やチョコレートを使った限定スイーツも登場します。

「お子様から年配の方まで幅広い世代に楽しんでもらえるように」と、豊富に用意されたメニューラインナップは『櫻茶屋』の特徴のひとつ。副菜たっぷりの週替わりの昼ごはんのほか、フードメニューはパスタや丼、サンドイッチなど。カレーだけでも4種類あります。ケーキやパフェなどのスイーツメニュー、そしてドリンクはコーヒーや紅茶だけでなく、ハーブティーやアレンジソフトドリンクも揃っていて、なかなか選ぶのが大変です！ そのひとつひとつのメニューに研究熱心で、どれも美味しいのです。千枝子さんは「お客様に楽しんでもらいたいから」とさらっと話しますが、その心意気には感服です。

南側のテーブル席は座っていると気持ちが良くて私も大好きな場所。暖かな光が注ぐサンルームにいるみたいなのです。ゆっくりとした時間を過ごすのにはぴったりの空間です。

「美味しいものを食べて、素敵なものを見られたら一日が幸せだと思うんです。本も器もアクセサリーも、いろんなものに出会って楽しんでもらえる場所になれたら」と、千枝子さんと真由美さんは話します。「お客様にもっと楽しんでいってもらいたい」という千枝子さんたちの気持ちがいっぱい詰まった『櫻茶屋』で過ごすと、心がほくほく、帰り道はついにんまりしてしまいます。

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