徳島編vol.16 地産地食でつながる食堂『かま屋』

地元のおしゃれさんが 案内する 小さな旅
2019.12.28

←vol.15はこちらから


text & photo : 森香菜子(KIGIPRESS/utanotane)


徳島市中心部から車で約40分ほど走った山あいにある神山町。この町に2017年にオープンした『かま屋』は「地産地食」を掲げた食堂です。

skamaya01
地産地食。聞きなれない言葉ですが、地域でつくられたものを、その地域で食べるということ。神山町で「小さな食の循環」をつくっていくプロジェクトです。

skamaya02
「ごはんを囲んでコミュニティーが広がるように」との思いから、竃(かまど)を取り囲むように厨房とテーブル席が広がっています。『かま屋』という店名も「竃がある場所」という意味を込めて名付けられたそうです。

ランチメニューは日替わりの一種のみ。カウンターには大皿に盛られたその日のメニューがずらりと並びます。一品一品を自分でワンプレートに盛り付けていくというセルフスタイルなのですが、「好きなものだけ」ではなく「自分が食べられる量だけ」をよそうというのが『かま屋』のポイントです。

skamaya03
看板メニューはこちらの農園サラダ。自社菜園『つなぐ農園』で育てた新鮮な野菜がたっぷり楽しめます。『かま屋』で使われる野菜は自社でつくっているものに加えて、神山町内の農家さんから様々な野菜を届けてもらっているそう。

skamaya04
どんな農家さんから野菜が届けられているのか、食材や調味料などはどこでつくられたものなのか、厨房の壁に掲げられた名札の数々が教えてくれます。とっても安心。

skamaya05
ワンプレートに自分が食べられる分だけ盛り付けたら、ごはんと汁物もお盆に載せてテーブル席へ。嬉しいことにこの日は新米! 『つなぐ農園』で育ったお米で、もちろん竃で炊かれたごはんです。

skamaya06
この日のメニューは「阿波美豚のカツレツ、ねぎすだちだれ」「焼き白菜とベーコンの蒸し煮」「水菜とわさび菜のくるみ和え」「海老名さんのとろろ豆腐」「つなぐ農園リーフサラダ」。竃で炊いたごはんとお味噌汁。お好みで添えられるふりかけも自家製です。

skamaya07
この土地の食材を使うことだけでなく、この土地の「味」も大事にしている『かま屋』。以前に神山町で製作された冊子『神山の味』にまとめられているメニューを参考にしたり、町内で暮らすお母さんたちから食材の使い方のアイデアをいただくこともあるのだそう。まさに、竃を中心にコミュニティーの輪が広がっていっているのだなあと感じます。

skamaya08
周囲の山々が見渡せる明るくて開放的な店内。お昼をまわると、すぐにどのテーブルいっぱいになって賑わいはじめました。県内外から車を走らせて食べにきている人もいれば、神山町内で働く人たちが社内食堂替わりに度々食べにきているようでした。

skamaya09
カウンター席から厨房を覗くと、神山町で採れたという大きなしいたけがごろごろ! ちなみに『かま屋』の面白い取り組みのひとつに「産食率」というものがあります。献立の中にどれだけ地元の食材を使っているかの割合を示したもの。つまり「地産地食」の取り組みを数値化して、定期的に公表しているのです。目に見えることで信頼できるし、ひとつひとつの活動に誠意を感じられるなあと思います。

skamaya10
同じ敷地内には『かまパン&ストア』というパン屋さんもあります。パンの販売の他に、県内産を中心に厳選された調味料・食品の販売や、『かま屋』のごはんでも使用されているドレッシングなどオリジナル加工品も購入できるので、こちらでお土産を買って帰るのもおすすめですよ。

 

→その他の【徳島編】はこちらから

→連載「地元おしゃれさんが 案内する 小さな旅」はこちらから

かま屋

MAP:
徳島県名西郡神山町神領北190-1
TEL:050-2024-2211
営業時間:モーニング8:00〜10:00、昼ごはん11:00〜14:00(土日祝は〜15:00)、お茶の時間14:00〜18:00(LO.17:30、土日祝は15:00〜)
定休日:月曜、火曜(月・火曜が祝日の場合は営業)
http://foodhub.co.jp/

肩の力を抜いた自然体な暮らしや着こなし、ちょっぴり気分が上がるお店や場所、ナチュラルでオーガニックな食やボディケアなど、日々、心地よく暮らすための話をお届けします。このサイトは『ナチュリラ』『大人になったら着たい服』『暮らしのおへそ』の雑誌、ムックを制作する編集部が運営しています。

ページトップ