20以上の工程を経て作られる「輪島キリモト」の「端反椀 (はぞりわん)」

今日のひとしな
2016.08.13

~cotogoto(コトゴト)より vol.13~

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日常使いの暮らしの道具を扱っている「cotogoto」の中で、いわゆる「高級な商品」の部類に入るのがこちら。「輪島キリモト」さんの輪島塗のお椀。
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毎日のごはんや味噌汁に輪島塗の漆の器なんて、しかも2万円近いお椀だなんて、一般庶民にはちょっと……と、ひるんでしまいますよね。実際、私もそうでした。「輪島キリモト」さんの工房にお邪魔するまでは。

漆芸で唯一「重要無形文化財」に指定されているのが輪島塗。その産地である石川県の輪島に、工房はあります。
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手にするとふわりと軽いお椀ですが、何とこれ、9層にもなっているんです。ろくろで椀の形に仕上げた木地に、生漆(きうるし)を染み込ませ、ふちや高台などの欠けやすいところに布を貼り、漆と木屑を焼いたパウダーなどを混ぜたものを塗り、今度は珪藻土(けいそうど)を焼いて粉にした「地の粉(じのこ)」を塗り……などなど、木材を削るところから数えれば、20工程以上。気の遠くなるような長い作業を、専門の職人さんが分業で行っていくのです。

その工程を説明しているページがありますので、ぜひご覧ください。
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でも、ただ手間をかけて作ったというだけで高額なのであれば、「暮らしの道具」としては使いにくいものになるでしょう。けれど「輪島キリモト」さんのお椀は、そうではありません。
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手にしたときの軽く柔らかさを感じるような触り心地や、唇に触れた時の滑らかさ、そして食卓を華やかにしてくれる品のある佇まい。さらにうれしいのは、欠けても割れても、修理が可能なのです。ほぼ元通りになるのだそうです。

キリモトさんが長く使っているというお椀を見せていただきましたが、そのツヤと深みのある色は、まるで宝石のようでした。
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この「端反椀」はひとつ1万8000円です。毎日、口にするお味噌汁を入れるお椀。使うほどに美しく艶を増し、一生使うことのできるお椀。1万8000円は決して高いとは思わなくなりました。


端反椀(輪島キリモト)
各18,000円(税抜)

「輪島キリモト」の工房訪問

cotogoto(コトゴト)

炊事や洗濯、掃除といった家事の道具が並ぶお店。日本の素材を使い、四季のある風土や暮らしの中で使いやすいよう丁寧に作られたアイテムをラインナップ。「今日のひとしな」のコラム執筆は、店主の涌井玲子さん。

東京都杉並区高円寺南4-27-17-2F
TEL:03-3318-0313
11:00~20:00 無休
http://www.cotogoto.jp

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