気負うことなく普段使いできる宮下智吉さんの漆の器

今日のひとしな
2016.09.04

~in-kyo(インキョ)より vol.4~

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「漆の器っていいな」と、普段づかいの器として気負うことなく心からそう思わせてくれたのは、宮下さんの漆の器のおかげだと思っている。

ごはんやお味噌汁はもちろん、揚げ物などの料理などなど。大事に桐箱にしまってハレの日だけの器として…というものがあってもそれはそれで素敵だけれど、今、自宅にはその収納の余裕も無いし、日々の食卓は和洋に関わらず、漆の器の出番が増えている。使って洗って拭いてを繰り返し、気づけば艶が出た漆の器は、いつものごはんをぐんと美味しくしてくれている気がする。

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そもそも宮下さんを紹介してくれたのは、現在お料理の仕事で活躍をしている友人の角田真秀さんで、角田家の食卓でご飯を食べながら宮下さんの漆を見せて頂いたことがきっかけだった。私はお店を始める準備をしている頃で、宮下さんはまだ大学に在学中の頃。早いもので、もう10年近くになる。

私は漆というものがどんなものかを、ふわりと知識として知っているつもりでいたけれど、ふわりとしたものはふぅと吹けばすぐに飛んでいってしまうように、全くわかっていなかった。

その後、工房や実際の作業を見せて頂いたり、宮下夫妻から漆の話を聞かせて頂いたり、何より自分が使い始めるようになって気づくことが多くあった。今だってまだまだわかったうちになど入っていない。それでもわからないなりに、日本に古くからある漆というものの魅力にどんどん惹かれている。

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漆の器に盛りつけられた美味しいごはんやおかずが食卓に並ぶと、お箸を上手に使えるようになった宮下家の長女のさなえちゃんが、美味しそうにパクパクと夢中で食べる。お父さんが作った器だとわかっているからか、自然とやさしく扱っている。

心地よい軽さや木のやわらかさ、ホッとするあたたかさ。言葉にしなくても、目に見えない大事なものを、小さな手はちゃんと受けとめているのだ。

秋には「in-kyo」にて、宮下智吉さんの個展を行います。

宮下智吉個展「ごはんのおいしい漆の器」
2016年10月28日(金)~ 11月8日(火) ※11月2日(水)は休み
10:00~17:00 
宮下さん在廊日……10月30、31日、11月1、6〜8日を予定

※11月6日(日)には、お箸作りのワークショップを行います。漆の魅力を手に取ってご覧頂ける機会です。扱い方などのご質問などもどうぞお気軽に。ご来店お待ちしております。詳細は「in-kyo」のホームページをご覧下さい。

in-kyo(インキョ)

日々の暮らしの中で、月日をともに積み重ねたくなるような器や生活雑貨が並ぶ店。日常着や、おいしいもののセレクトも人気。「今日のひとしな」のコラム執筆は、店主の長谷川ちえさん。

福島県田村郡三春町9
TEL:0247-61-6650
10:00~17:00 水曜・木曜定休
http://in-kyo.net

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