毎日どんどん使ってほしい 「niguramu」のシンプルな九谷焼

今日のひとしな
2021.05.08

~「文月」「道具屋nobori」よりvol.8 ~

九谷焼と言えば、カラフルな五彩色絵が特徴の、雅ででめでたいイメージ。

そんな訳で、このお皿を「九谷焼です」というと十回に十一回くらい(!)、驚いた顔をされます。

それもそのはず、「niguramu(にぐらむ)」のKATAKUTANI/型九谷シリーズは、色絵ではなく器本来の美しい形に着目して作られたシリーズ。

形としてはすべて昔ながらのものを使い、絵を入れず「貫入」のみのシンプルなつくり。磁器らしい透き通った青みのある白に、うっすらと見える貫入のひびが入ることで、のっぺりとした、ただの白い器ではなく、落ち着きがある中にもじんわりと器の表情が見えてきます。


稜花皿 ¥3,520

さて、昔ながらの形のお皿なので和食が似合うことは当然のこと。しかし和食器というほどがっちり渋い雰囲気もなく、むしろどの型もリムの部分がレースやフリルのようにも見え、洋食はもちろんケーキ、お菓子などの甘い雰囲気にもマッチします。

(上)八角モッコ皿140mm ¥1,045、(下)八角モッコ皿200mm ¥2,200

どんな料理に合うか、想像して一回書き連ねたら膨大な量になったので、本日はその中の一例を。

リムが立ち上がって少し深さの出ている八角モッコ皿は、野菜たっぷりの肉じゃがを取り分けたり、大きい方は案外ナポリタンをどさっとのせてもいい感じ。

菊形の皿は取り皿、盛り皿、デザート皿となんでも使えるオールマイティさが売り。中でも小鉢は大体こぶし大くらいで、そえものおかずを多すぎず少なすぎずの絶妙な量をのせられる便利なサイズ感。

陵花皿は、ケーキをのせるとリムの縁取りでより可愛さが引き立ちます。また、他の型より大きめなのでガラッと趣向を変えてピザの取り皿にも良さそう。どの型もなにを載せてもいい感じ。でもせっかくなら、是非色絵のようなはっきりした色味の野菜や果物を使ったものを一度はのせてみてほしいです。

油煙型突出皿 215㎜ ¥1,540

そして中でも変わった形の油煙形突出皿は、多目的に使える形。なだらかな曲線で囲まれている、端がきゅっととがった特徴的な細長い形で、食べ物を盛るのはもちろんのこと、玄関で見失いがちな自転車の鍵やハンコの定位置としても。デスクの上に置いて、いつも使うシャープペンや消しゴムといった文房具の一時置き場としても丁度いい。お香を焚くときにトレイにすると灰が落ちても画になるし、本来お皿なので普通に洗えて手入れも楽ちんです。


菊皿 190㎜ ¥1,980

「そんなこといっても、貫入の器というと他の器より手入れが必要では?」と思われる方。確かに、ただの磁器に比べると多少気にすることは増えます。私はうそをつけません。でも、気をつけることは思っているよりも難しくないことばかりです。それから、ひびに色が染み込む変化を楽しむ方もいるくらいですから、そのあたりも神経質になり過ぎず使って頂いても勿論大丈夫。気後れせずチャレンジしてみてください。

和洋問わず料理に合うにも関わらず、可憐な雰囲気も出せる稀有なシリーズです。少しでも気になる形があればぜひ。おうちでかなり活躍してくれるはずです。

text: ヨシタケ(道具屋nobori)

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文月/道具屋nobori

「文月」
住所:東京都台東区寿3-7-1
営業時間:11:00~18:00
定休日:水曜日
https://fuzukikuramae.stores.jp/
instagram:@fuzuki.kuramae

 

「道具屋nobori」
住所:東京都台東区寿2-9-17
営業時間:11:00~18:00
https://fromafar.stores.jp/
instagram:@douguya_nobori

 

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