その魅力にハマってしまいそう アンティーク・ブロカントの皿
~「文月」「道具屋nobori」よりvol.28 ~
童話のワンシーンに登場していそうな、フランスのアンティークやブロカント(古道具)の食器について、お送りいたします。
あまり身近な存在では無かったのですが、何度か展示をしてもらっている「mememe BROCANTE(ミーミーミ―ブロカント)」のおかげでその面白さを知ることが出来ました(とはいえ奥深い世界なので、ここは扉の入り口といったところです)。
アンティークの絵付けのプレートと言えばブルーやグリーンといった寒色系が主流ですが、やさしいブラウンや赤といった暖色系、キリッとした黒も。それぞれの色味が絶妙に違い、同じ系統であっても深さや鮮やかさに個性があります。
そしてその絵柄の豊富さ。植物の種類だけでもたくさんあるのに、額縁のようにリムだけを飾っているもの、全面に描かれているもの。絵柄自体も小さな花や葉の模様がちりばめられているものもあれば、スケッチのようなものもあったり。カトラリーやグラスも同じ時代のものを合わせると、一気に雰囲気が整います。
古いもの独特の貫入の入ったところやカトラリーの小さなスレなんかも良さのひとつ。見方によってはただの使用感、いえ、それこそがこの古いものたちの大事なところ。
というのもヨーロッパでは使えなくなったら新しい物を買う、ではなく、修理したりリメイクしたりと「古き良きもの」を大切にする考えが主流。
確かに、どれも百年近く昔のものなのに、欠けや使えないほどの汚れもないことに気付きます。そんな想いを受け継ぐ、とまでいうと大仰になってしまいますが、自分が大事にしているものをだれかが気に入って使ってくれたら。そんな風にものと付き合って行きたいなと思ったのでした。
そんなかっこいいことを書きながら、頭の中では好みの選定も始まっていて、「色は赤が珍しいらしいけど、やっぱり青み系で、青と緑との中間の色味とかいい」、とか。「リムにがさっと植物の絵柄のあるもので、花よりも木の実とかが描いてあるもので」、とか。
こんな具合に、見れば見るほど、これは、ずぶずぶとフランスアンティーク沼にハマってしまう予感。
ここまでご紹介してきた毎日のくらしの器たちとちがって、特別感のあるもの。
でも手に取ることを躊躇せず一歩踏み出してみれば、新しい世界(沼?)が待っています。
やっぱり、知らないものって面白い。
text: ヨシタケ(道具屋nobori)
「文月」
住所:東京都台東区寿3-7-1
営業時間:11:00~18:00
定休日:水曜日
https://fuzukikuramae.stores.jp/
instagram:@fuzuki.kuramae
「道具屋nobori」
住所:東京都台東区寿2-9-17
営業時間:11:00~18:00
https://fromafar.stores.jp/
instagram:@douguya_nobori
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